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古くからのスペシャルティコーヒーの名産地、コスタリカ


中央アメリカの南部に位置するコスタリカ共和国は、スペシャルティコーヒーの産地として有名です。
カリブ海と太平洋に挟まれた国土は、大小合わせて100以上の火山があり、中央に連なる複数の火山山脈を中心にコーヒー農園が広がっています。
また熱帯雨林が国土の40%以上を占めており、コーヒーの木を栽培するのに、非常に適した環境です。

古くから品質の高いコーヒーを生産しており、アラビカ種以外のコーヒーの栽培を禁じている国として知られています。

年間約76,000トンの生産量のうち、半分はスペシャルティコーヒーとして取引されています。

コーヒー栽培の歴史

コスタリカは中央アメリカで最初に本格的にコーヒー栽培を産業化した国です。
18世紀にキューバからコーヒー豆が導入され、19世紀前半には、ブラジルと並んで中南米の主要なコーヒー産地となりました。

ブラジルのように大農園での栽培ができないコスタリカでは、早くから品質を高めてヨーロッパ向けに輸出を行い、栽培方法や品種の改良、水洗式の導入などを行い、コーヒー先進国となりました。
1933年にはコスタリカコーヒー協会(CICAFE)が設立され、生産者への指導や品質管理が行われています。

栽培地の特徴


コスタリカコーヒーの生産地は、高い標高や火山灰性の土壌、雨季と乾季のはっきりとした気候が特徴です。標高800~1,700mの高地で栽培されることが一般的で、これにより独特の風味が生まれます。また、日照量が多いためシェードツリーが活用されています。
前述のように火山が多く、火山性の土壌はミネラルが豊富であり、水はけも良くコーヒー栽培に適しています。

雨季は5月から11月、乾季は12月から4月。雨季の終盤にあたる10月から乾季の2月にかけて収穫が行われています。

コスタリカの主要生産地はタラス、トレスリオス、セントラルバレー、ウェストバレー、オロシ、ブルンカ、トゥリアルバの7つです。生産地域によって異なる風味が楽しめます。
なかでも有名なのはタラスで、柑橘系やベリー系の酸味が特徴です。

独自の精選方法・ハニープロセス

コスタリカの独自の精製方法として「ハニープロセス」(パルプド・ナチュラル)があります。

コーヒーの伝統的な精製方法には、果肉が付いたまま乾燥させる「ナチュラル」と、粘液質(ミューシレージ)を水槽で発酵させて除去しパーチメントコーヒーの状態で乾燥させる「ウォッシュド」があり、コスタリカでは1990年代までウォッシュドが主流でした。

しかし、2000年頃に水質保護法が施行されると、排水量削減を目的に、機械の力で粘液質を取り除いてから乾燥させる方法が開発され普及していきました。

機械の設定によって粘液質の除去率を調整できるようになり、これをハニープロセスと呼ぶように。粘液質の残量を変えることでバリエーションを細かく分類し、付加価値を高めています。

ハニープロセスのバリエーション (除去割合)

ブラックハニー、レッドハニー、ゴールドハニー:0%~25%程度
イエローハニー:50%程度
ホワイトハニー:90%~程度

このように、精選方法にも工夫し、品質を高めてきたコスタリカのコーヒー。
多くの小規模な農家がマイクロロットの生産に取り組んでおり、近年では、アナエロビック(嫌気性発酵)を取り入れたプロセスも多く使われています。


これからも注目されるコスタリカのコーヒー。
CROWD ROASTERでもコスタリカ・タラスのオルティガ農園のコーヒーを扱っています。
ぜひこの特徴あるコスタリカコーヒーをお楽しみください。


2024.1.4
CROWD ROASTER