パナマ・ボケテのコーヒー農園
世界のコーヒー産地をご紹介するこの企画、今回は世界一高価なコーヒーといわれている「パナマ ゲイシャ」を作り出す国、パナマです。
パナマコーヒーの産地と魅力について、お伝えしていきます。
パナマコーヒーの産地と魅力について、お伝えしていきます。
コーヒー栽培に適した微小気候
パナマ共和国は、南北アメリカを繋ぐ中央アメリカに位置する国。西はコスタリカ、東はコロンビアに接しています。パナマの面積は約7万5千キロ平方メートルで、北海道くらいの大きさ。パナマといえば、パナマ運河が有名ですが、そのほかにも船舶、鉱業、観光業なども主要産業となっており、農産物ではコーヒーが主要な位置をしめています。
国土の8割は山岳地帯で、残りの多くは熱帯雨林が広がっています。
気候は熱帯性で、地域によっては火山性の肥沃な土壌を持ち、寒暖差がしっかりあることから、コーヒー栽培に適した環境となっています。
熱帯のパナマは自然の宝庫です。パナマの西隣りのコスタリカとの国境近くに、最高峰バル火山(3,474m)がそびえています。
北米大陸ロッキー山脈から、南はアンデス山脈から山地が連なるこの場所では、遥かロッキーから発生する冷たい風と、南の太平洋から上昇する暖かい風がぶつかり合います。これによって絶えず雲が発生し、雨を降らせ、その雨粒がさらに細かい霧となってこの地域に降り注ぎます。地元の人はこの霧を「バハレケ」と呼んでいます。
「バハレケ」と呼ばれる霧が多く発生するバル火山のふもと
バル火山ふもとの高地では、狭いエリアの中で多様に気候が変化します。
そのため、ほんの数百メートル離れたコーヒー農園でも、まったく気象が異なるといわれているのです。
マイクロクライメイト(微小気候)と呼ばれるこの独特の環境こそが、上質なコーヒーチェリーの生育にとって、またとない恵みをもたらします。それぞれの土地によって気象と土壌の条件が異なり、農園によって性格の異なるチェリーが実り、その結果、さまざまな個性あるコーヒーが生産されています。
パナマのコーヒー産地とその特徴
パナマのコーヒー農園は、このバル火山のふもとのボケテとボルカン地区に集中しています。
コーヒーの年間生産量はそれほど多くなく、コスタリカの1/10、コロンビアと比べるとわずか1/100の規模しかありません。
バル火山の東斜面にあるボケテ地区と、西斜面に位置するボルカン地区は、土壌は火山灰性となっており、ミネラル分を豊富に含んだ豊かな土壌です。
コーヒーの栽培は標高1,500m~1,700mのエリアで主に行われています。 この標高の高さが、昼と夜の寒暖差を生み出して、風味豊かなコーヒーの栽培を可能にします。一方で、熱帯エリアならではの、はっきりした雨季と乾季があり、前述のように霧が頻繁に発生して直射日光を遮ることも多く、適度な気温を保つこととなっています。
コーヒーの精選方法(プロセス)では、雨季と乾季がはっきりしている気候から、丁寧に収穫されたコーヒーチェリーを天日干しによって乾燥させるナチュラルが基本となっています。その上で、さまざまなフレーバーをつくるために他の精選方法も用いられるようになりました。
コーヒーの栽培は標高1,500m~1,700mのエリアで主に行われています。 この標高の高さが、昼と夜の寒暖差を生み出して、風味豊かなコーヒーの栽培を可能にします。一方で、熱帯エリアならではの、はっきりした雨季と乾季があり、前述のように霧が頻繁に発生して直射日光を遮ることも多く、適度な気温を保つこととなっています。
コーヒーの精選方法(プロセス)では、雨季と乾季がはっきりしている気候から、丁寧に収穫されたコーヒーチェリーを天日干しによって乾燥させるナチュラルが基本となっています。その上で、さまざまなフレーバーをつくるために他の精選方法も用いられるようになりました。
ボケテの農園でのコーヒーチェリーの乾燥工程
かつて、いわゆる「コーヒー危機」以降、パナマはスペシャルティコーヒーの生産に主力を切り替えました。このため中~小規模の農園がほとんどで、それぞれが栽培から収穫、精製、出荷までを一貫して手がけています。
有名なゲイシャやパカマラ、カトゥアイ、カトゥーラ、ティピカはじめ、つねにあらゆる品種を栽培し、精製方法についても、それぞれの農園が独自に研究と試行錯誤を重ね、そのノウハウを他の農園と情報交換しながら、パナマならではの高品質なコーヒーづくりに取り組んでいます。
有名なゲイシャやパカマラ、カトゥアイ、カトゥーラ、ティピカはじめ、つねにあらゆる品種を栽培し、精製方法についても、それぞれの農園が独自に研究と試行錯誤を重ね、そのノウハウを他の農園と情報交換しながら、パナマならではの高品質なコーヒーづくりに取り組んでいます。
コーヒー栽培の歴史
ボケテの市街中心部に置かれたコーヒーカップのモニュメント
コーヒーの栽培が始まったのは中央アメリカの中では遅く、1870年〜1890年頃から、西側にあるチリキ県のボケテ地区で始まりました。
この頃すでに周辺国でコーヒー栽培が活発となっており、規模の小さかったパナマコーヒーは周辺国と比べて生産量が低く、国際市場での評価も高くはなかったことから、コスタリカ経由で、コスタリカコーヒーとして出荷されていた時代もあったといいます。
さらに国際的な価格下落で、基盤の弱いパナマコーヒーの輸出は危機に陥りました。この状況から、パナマはコーヒーの品質を高めて、スペシャルティコーヒーの産地として付加価値化を図る方針をかため、パナマスペシャルティコーヒー協会を設立。「ベスト オブ パナマ」という国際品評会・オークションを開催し、世界にコーヒーの品質を打ち出すようになりました。
この枠組みの中で、まさに彗星の如く現れたのが、エスメラルダ農園のゲイシャ種。かつてない価格で競り落とされたパナマ ゲイシャは、ゲイシャを世界的に流行させ、パナマコーヒーの品質を世界に知らしめることとなったのです。
この頃すでに周辺国でコーヒー栽培が活発となっており、規模の小さかったパナマコーヒーは周辺国と比べて生産量が低く、国際市場での評価も高くはなかったことから、コスタリカ経由で、コスタリカコーヒーとして出荷されていた時代もあったといいます。
さらに国際的な価格下落で、基盤の弱いパナマコーヒーの輸出は危機に陥りました。この状況から、パナマはコーヒーの品質を高めて、スペシャルティコーヒーの産地として付加価値化を図る方針をかため、パナマスペシャルティコーヒー協会を設立。「ベスト オブ パナマ」という国際品評会・オークションを開催し、世界にコーヒーの品質を打ち出すようになりました。
この枠組みの中で、まさに彗星の如く現れたのが、エスメラルダ農園のゲイシャ種。かつてない価格で競り落とされたパナマ ゲイシャは、ゲイシャを世界的に流行させ、パナマコーヒーの品質を世界に知らしめることとなったのです。
世界でもっとも高価なコーヒー、ゲイシャ種の登場
エスメラルダ農園でのコーヒーチェリーの収穫
このように品質を高めてきたパナマのコーヒーですが、転機となったのは、ゲイシャの登場です。エチオピア発祥のゲイシャは、まず隣国であるコスタリカに移植されました。1963年には、パナマで最もコーヒーの栽培が盛んなチリキ県ボケテ地区に初のゲイシャコーヒーが移植されました。
ゲイシャ種はさび病に強い品種としてパナマに導入されたのですが、標高の高さが必要であるなど適した生育条件が限られており、コーヒーの木の背の高さがティピカ種やブルボン種に比べて2倍近くになるなど、栽培・収穫が難しい、しかも収穫量が少ないといったようにデメリットが多く、コーヒー農家に広がることはありませんでした。
しかし、その可能性に気づいたのがエスメラルダ農園で、たまたま植えられていたこの品種が再発見されるという劇的なストーリーが待ち受けていました。
ゲイシャ種はさび病に強い品種としてパナマに導入されたのですが、標高の高さが必要であるなど適した生育条件が限られており、コーヒーの木の背の高さがティピカ種やブルボン種に比べて2倍近くになるなど、栽培・収穫が難しい、しかも収穫量が少ないといったようにデメリットが多く、コーヒー農家に広がることはありませんでした。
しかし、その可能性に気づいたのがエスメラルダ農園で、たまたま植えられていたこの品種が再発見されるという劇的なストーリーが待ち受けていました。
その後のゲイシャの快進撃は、今に至るまで続いています。ゲイシャフレーバーとも称される、ユニークで高貴なフレーバーはコーヒー業界に衝撃を与え、瞬く間に世界中で高く評価されることとなりました。
そして先進的なパナマのコーヒー農園では、ゲイシャの「次」を見出すべく、実験的な試みも活発に行われています。
次世代を担うさまざまな品種が登場しており、今後もパナマから、どんなコーヒーが登場するのかが楽しみです。
パナマコーヒーを味わって、そんなパナマに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
パナマコーヒーを味わって、そんなパナマに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
CROWD ROASTERでは、パナマゲイシャの特別なローストイベントが開催中!
パナマ ゲイシャの最高峰である、アルティエリ農園とジャンソン農園の希少なロットを、ignis 土橋さんとou.bai.tou.ri 小玉さんが焙煎します。
ぜひこの機会に、素晴らしいパナマ ゲイシャを楽しんでください。
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