コロンビアを代表するスペシャルティのための農園
スペシャルティコーヒーの黎明期からその名をはせるサンチュアリオ(Santuario)農園。
コロンビア国内でいち早くスペシャルティコーヒーの高品質化に適応したこの農園は、当初から2,000mを超える標高にティピカ、ブルボン種を栽培し、とても意欲的な取り組みを行っていた。
その結果、今ではコロンビアを代表するスペシャルティコーヒー農園としての地位をしっかりと築いている。
2013年にオーストラリア・メルボルンで開催されたWBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)において、準優勝に輝いたオーストラリア代表のMatthew Pergerが使用したコーヒーとして、すでに知られていたこの農園は、さらに有名となった(WBCで彼が選んだのは、オーソドックスなブルボンのウォッシュト)。
コロンビア国内でいち早くスペシャルティコーヒーの高品質化に適応したこの農園は、当初から2,000mを超える標高にティピカ、ブルボン種を栽培し、とても意欲的な取り組みを行っていた。
その結果、今ではコロンビアを代表するスペシャルティコーヒー農園としての地位をしっかりと築いている。
2013年にオーストラリア・メルボルンで開催されたWBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)において、準優勝に輝いたオーストラリア代表のMatthew Pergerが使用したコーヒーとして、すでに知られていたこの農園は、さらに有名となった(WBCで彼が選んだのは、オーソドックスなブルボンのウォッシュト)。
<農園主のカミーロ・メリサルデ氏。革新的なプロジェクトを行うプロデューサーとしてコーヒー業界でも知られた存在だ>
そんな農園を率いているのが、カミーロ・メリサルデ氏だ。カミーロ氏は、古き良き時代のコロンビアマイルドコーヒーの復活を目指し、それを完全にサスティナブルな条件のもとで実現するために、1999年に一から設計し、農園作りをスタートさせた。
恵まれた環境とサスティナブルへの取り組み
コロンビア中央山岳地帯のポパヤン高原は、寒暖差が大きく、降水にも土壌にも恵まれた高品質なコーヒー栽培に適した地域だ。サンチュアリオ農園は、標高1,850-2,100mの丘陵地にあり、敷地面積は260ha、このうち約188haにコーヒーが栽培されている。
農園には豊かな森林が広がり、多様な野生動物が生活している。こうした環境を保護しようと、土壌保全、生物多様性の保護といった環境への取り組みによって持続可能な農園をつくりあげた。
カミーロ氏は「至高のコロンビアマイルド」を目指し、苗木の播種から収穫、精選にいたるまで非常に高いクオリティを持った作業マニュアルを作成。農園は小さな区画に分けて整備されており、作業の記録や管理もしっかりと行われている。シェードツリーにはマメ科の植物を植え、施肥管理は有機肥料の投与のみ。また標高が高いため害虫の問題はなく、農薬の散布は行っていない。
ただ、高標高の環境の厳しさのため、作柄がよくない年もあり、そんな中でも常に品質を追求する生産者カミーロ氏の姿勢は、まさに求道者というのにふさわしい努力がある。
農園には豊かな森林が広がり、多様な野生動物が生活している。こうした環境を保護しようと、土壌保全、生物多様性の保護といった環境への取り組みによって持続可能な農園をつくりあげた。
カミーロ氏は「至高のコロンビアマイルド」を目指し、苗木の播種から収穫、精選にいたるまで非常に高いクオリティを持った作業マニュアルを作成。農園は小さな区画に分けて整備されており、作業の記録や管理もしっかりと行われている。シェードツリーにはマメ科の植物を植え、施肥管理は有機肥料の投与のみ。また標高が高いため害虫の問題はなく、農薬の散布は行っていない。
ただ、高標高の環境の厳しさのため、作柄がよくない年もあり、そんな中でも常に品質を追求する生産者カミーロ氏の姿勢は、まさに求道者というのにふさわしい努力がある。
世界の生産国での共同プロジェクト
<Santuario Project Mexico Process Center。このプロジェクトのために合同会社が設立されており、メキシコの処理施設では、新たなプロセスの研究検証をおこなっている>
現在、カミーロ氏は、この農園で得た知見を各地に広げ、高品質なコーヒー作りを行う、サンチュアリオ・プロジェクトをおこなっており、ブラジル、コスタリカなどで、コロンビアの水洗式コーヒーの技術を余すところなく提供している。ブラジルのルイス・パウロ氏(サンチュアリオ・スル農園、イルマス・ペレイラ農園など)、コスタリカのトレス・ミラグロス農園などがパートナーととなっている。
また、メキシコではサンチュアリオ プロジェクトの推進に適した、高品質な生産処理を行う「コーヒーイノベーションセンター」をベラルクス州に建設。その土地のコーヒー農園から完熟したコーヒーチェリーのみを集め、ここでの革新的な処理技術でつくられた味わいが「サンチュアリオプロジェクト メキシコ」として出荷される。メキシコでは、グアダルーペ農園やチャンフル農園がパートナーとなっている。
他にも、エチオピアのゲシャ・ビレッジ農園など、各地の農園と共同プロジェクトを立ち上げているので、サンチュアリオプロジェクトの名が記されたスペシャルティコーヒーは、日本でも時折目にすることがあるだろう。
また、メキシコではサンチュアリオ プロジェクトの推進に適した、高品質な生産処理を行う「コーヒーイノベーションセンター」をベラルクス州に建設。その土地のコーヒー農園から完熟したコーヒーチェリーのみを集め、ここでの革新的な処理技術でつくられた味わいが「サンチュアリオプロジェクト メキシコ」として出荷される。メキシコでは、グアダルーペ農園やチャンフル農園がパートナーとなっている。
他にも、エチオピアのゲシャ・ビレッジ農園など、各地の農園と共同プロジェクトを立ち上げているので、サンチュアリオプロジェクトの名が記されたスペシャルティコーヒーは、日本でも時折目にすることがあるだろう。
サンチュアリオ農園のコーヒーの味は?
そんなサンチュアリオ農園のコーヒーの味が気になる読者もいるだろう。
私たち、CROWD ROASTERでは、サンチュアリオ農園のイエローブルボン、ゴールドウォッシュドというプロセスのコーヒーを扱っており、焙煎士の方々に、焙煎のリクエストができる。
ゴールドウォッシュドは、収穫したチェリーを1時間水につけた後、96時間密閉タンク内でパルピング。さらにコーヒーチェリーの果肉を絞ったジュースに72時間漬けてからアフリカンベッドで乾燥させるという、サントゥアリオ農園独自のプロセスだ。
シトラスにスパイシーな香りが加わった、とても個性的なコーヒーに仕上がっており、まさにカミーロさんでなければできない、コーヒーとなっている。
このコーヒーについて、ここからは実際にこのコーヒーを扱ったプロフェッショナルである、焙煎士のコメントをご紹介しよう。
私たち、CROWD ROASTERでは、サンチュアリオ農園のイエローブルボン、ゴールドウォッシュドというプロセスのコーヒーを扱っており、焙煎士の方々に、焙煎のリクエストができる。
ゴールドウォッシュドは、収穫したチェリーを1時間水につけた後、96時間密閉タンク内でパルピング。さらにコーヒーチェリーの果肉を絞ったジュースに72時間漬けてからアフリカンベッドで乾燥させるという、サントゥアリオ農園独自のプロセスだ。
シトラスにスパイシーな香りが加わった、とても個性的なコーヒーに仕上がっており、まさにカミーロさんでなければできない、コーヒーとなっている。
このコーヒーについて、ここからは実際にこのコーヒーを扱ったプロフェッショナルである、焙煎士のコメントをご紹介しよう。
この農園でしか作れない味
<まずは、CROWD ROASTERで焙煎を行った、鈴木清和焙煎士(GLITCH COFFEE & ROASTERS)のコメントから>
サンチュアリオ農園のプロジェクトのコーヒー豆って全部個性的で、このプロジェクトでしか作れない味、みたいなものがあるんです。
GLITCHでも、ブラジル、コロンビア、コスタリカの3種類のサントゥアリオを扱っていて、その中でも今回のコロンビアのコーヒー豆が一番個性的です。アフターテイストが強くてシトリックな、ライムみたいな味わいがするんです。結構珍しいコーヒーなので、CROWD ROASTERでも焼いてみることにしました。
オレンジとかレモンのような代表的な柑橘系の味わいって、トップ・オブ・トップのコーヒー豆なら比較的引き出しやすいというか、味わいやすいコーヒーだと思うんです。
だけどこのイエローブルボンは、ライムとか大葉、山椒みたいな味がするんですよ。そういう変わったスパイシーな味わいと、シトリックな味わいが混ざっているコーヒーです。
酸味が尖らずバランスがいいのは、この精選方法でしか出せない味なので、そのような特徴が複雑に混じり合った味わいを引き出したいと思っています。
実際、CROWD ROASTERでも焼いている焙煎士さんも多い、人気なコーヒー豆ですよね。
だけど、グリッチで出せる味わいはそんな複雑さを狙っています。焙煎士によって絶対違う味わいが出るコーヒー豆なので、同じ豆を違う焙煎士さんのコーヒーと一緒に楽しんでもらえたら、と思います。
サンチュアリオ農園のプロジェクトのコーヒー豆って全部個性的で、このプロジェクトでしか作れない味、みたいなものがあるんです。
GLITCHでも、ブラジル、コロンビア、コスタリカの3種類のサントゥアリオを扱っていて、その中でも今回のコロンビアのコーヒー豆が一番個性的です。アフターテイストが強くてシトリックな、ライムみたいな味わいがするんです。結構珍しいコーヒーなので、CROWD ROASTERでも焼いてみることにしました。
オレンジとかレモンのような代表的な柑橘系の味わいって、トップ・オブ・トップのコーヒー豆なら比較的引き出しやすいというか、味わいやすいコーヒーだと思うんです。
だけどこのイエローブルボンは、ライムとか大葉、山椒みたいな味がするんですよ。そういう変わったスパイシーな味わいと、シトリックな味わいが混ざっているコーヒーです。
酸味が尖らずバランスがいいのは、この精選方法でしか出せない味なので、そのような特徴が複雑に混じり合った味わいを引き出したいと思っています。
実際、CROWD ROASTERでも焼いている焙煎士さんも多い、人気なコーヒー豆ですよね。
だけど、グリッチで出せる味わいはそんな複雑さを狙っています。焙煎士によって絶対違う味わいが出るコーヒー豆なので、同じ豆を違う焙煎士さんのコーヒーと一緒に楽しんでもらえたら、と思います。
爽やかさと質感をあわせもつコーヒー
<次のコメントは、三神仁美焙煎士(Roast Design Coffee)より>
今回のゴールドウオッシュはブラジルで重宝されているイエローブルボン種を特殊な嫌気性発酵を用いて生産されたコーヒーになります。
イエロー種はその実をかじるとスイカのような甘さがあり、レッド種に比べて刺激が少なく、甘さと質感が高い特徴があります。コロンビアで導入されることは稀でかなり興味深い取り組みです。おそらく初の試みででしょう。
このイエローブルボン種にコーヒーチェリーの絞り汁”モストジュース"を添加し、低PH下で嫌気性発酵させることにより、ライムやナツメグのような鮮烈なフレーバーを持つに至りました。
Roast Design Coffeeではこのコーヒーが持つ爽やかなライムピールのような香りを活かしながら、小気味好い酸を程よく感じられるようにローストデザインを試みました。意外にも甘さとボディーがしっかりしているので、せっかくの爽やかさを阻害しないようにテイストバランスの調整を行いました。
こうして出来上がったRDCのサンチュアリオ ・ゴールドウオッシュはライムやナツメグのような爽やかさをもちながら、しっとりした質感を持つ滑らかなコーヒーへと変貌を遂げました。
今回のゴールドウオッシュはブラジルで重宝されているイエローブルボン種を特殊な嫌気性発酵を用いて生産されたコーヒーになります。
イエロー種はその実をかじるとスイカのような甘さがあり、レッド種に比べて刺激が少なく、甘さと質感が高い特徴があります。コロンビアで導入されることは稀でかなり興味深い取り組みです。おそらく初の試みででしょう。
このイエローブルボン種にコーヒーチェリーの絞り汁”モストジュース"を添加し、低PH下で嫌気性発酵させることにより、ライムやナツメグのような鮮烈なフレーバーを持つに至りました。
Roast Design Coffeeではこのコーヒーが持つ爽やかなライムピールのような香りを活かしながら、小気味好い酸を程よく感じられるようにローストデザインを試みました。意外にも甘さとボディーがしっかりしているので、せっかくの爽やかさを阻害しないようにテイストバランスの調整を行いました。
こうして出来上がったRDCのサンチュアリオ ・ゴールドウオッシュはライムやナツメグのような爽やかさをもちながら、しっとりした質感を持つ滑らかなコーヒーへと変貌を遂げました。
このサンチュアリオ農園のコーヒー、気になった方はCROWD ROASTER アプリでの焙煎リクエストを焙煎士にしてみてほしい。「YBB」と表示されている銘柄がサントゥアリオ農園のコーヒーとなっている。
CROWD ROASTER 編集部