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JBC、JBrCとは何の大会?コーヒーの技術を競う競技を解説

2022年のWBC(World Barista Championship)入賞者。石谷バリスタが4位に入賞した


コーヒーについての技術を競う大会は、いまジャンルごとにいくつも行われています。
その大会について、どんなものがあるのかをご紹介します。

よく知られており、歴史ももっとも長いのが、バリスタの技術を競う競技会です。バリスタたちがプレゼンテーションを華やかに行う様子を見たことのある方も多いはず。
抽出の各ジャンルのほかに、焙煎の技術を競う大会も近年知られてきています。

CROWD ROASTERに参加している仲村良行焙煎士は、焙煎の日本大会で優勝し、世界大会の出場権を得て、世界第2位を獲得。また、アドバイザーでもある石谷貴之バリスタが日本代表として世界大会で4位を獲得したように、日本大会で優勝すれば世界大会の出場権を得られるという大会もあります。
ここでは日本の主な競技大会について、ご紹介していきましょう。

日本で開催される各種の大会

 
現在、コーヒーの分野で最も大規模な世界大会を行うのは、WCE=ワールドコーヒーイベント(World Coffee Events)。欧州とアメリカのスペシャルティコーヒー協会が合併したSCA(Specialty Coffee Association)が主催する大会を実施しています。

そこで行われる大会に出場するには、WCEが認定した各国の国内大会で優勝する必要があります。

日本での公認大会は、日本スペシャルティーコーヒー協会(SCAJ)が主催する大会となっており、SCAJが行う大会は次の8つがあります。
多くは、WCEの大会への代表選考会として開催されますが、日本独自の競技大会も存在します。

バリスタ<JBC>

ジャパンバリスタチャンピオンシップは、WBC(World Barista Championship)への出場権を得ることができる、バリスタの頂点を決める大会。
エスプレッソ、ミルクビバレッジ、シグネチャービバレッジの3種を制限時間内にジャッジに提供します。

味だけでなく創作ドリンクの独自性や、エスプレッソマシンを扱う動きやプレゼンテーションが問われる。 地方予選を勝ち抜くと、年に1回行われる決勝大会に出場できます。

ラテアート<JLAC>

ジャパンラテアートチャンピオンシップは、ヨーロッパで開催されていたSCAE World Latte Art Championship(現在はWCE主催大会)に準じたルールでの大会として2009年にスタートし、優勝者はこの世界大会への出場権を獲得。
制限時間内にフリーポアーラテ、デザイナーラテを提供するラテアートの出来栄えとパフォーマンスが評価されます。

フィルター抽出<JBrC>

ジャパンブリュワーズカップは、ペーパードリップ、ネルドリップ、フレンチプレス、エアロプレスといった手作業による抽出技術を競う大会。
こちらも世界大会のWBrC(World Brewers Cup)の出場権を獲得できます。
「必修サービス」では、公式の焙煎豆を用いて味の評価が行われ、「オープンサービス」では、出場者の持ち込んだ焙煎豆を抽出し、プレゼンテーションを行います。

2022年のチャンピオンが、CROWD ROASTERの焙煎士として参加している小野光さん(Brewman Tokyo)です。

カッピング<JCTC>

ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップは、やはり世界大会であるWCTC(World Cup Tasters Championship)への代表選考会を兼ねて行われるカッピング技術を競う大会。
3つのカップから1つだけ異なるコーヒーを当てる問題を1分間に1問、計8問行なって正答数(同じ数であれば時間の短い方)が勝利。

こちらも2022年のチャンピオンがCROWD ROASTERの参加焙煎士である、石原匠真さん(TRUNK COFFEE)です。

焙煎<JCRC>

ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップは、焙煎技術を競う大会で、世界大会であるWCRC(World Coffee Roasing Championship)のルールに準じて行われ、優勝者はこの大会への出場権が得られます。

生豆評価、サンプルロースト、ローストプランの提出、製品焙煎というように段階を踏んで行われ、生豆や焙煎豆の評価能力、計画した味わいの焙煎となったかなどが問われます。

2019年のチャンピオンはCROWD ROASTERの参加焙煎士・阪田正邦さん(KOTO COFFEE ROASTERS)、そして2017年と2022年に優勝したのが前述した仲村良行さん(豆ポレポレ)です!

コーヒーカクテル<JCIGSC>

ジャパンコーヒーイングッドスピリッツチャンピオンシップは、コーヒーにウィスキーやスピリッツなどを加えて作る、オリジナルコーヒーカクテルの大会。もともとは欧州スペシャルティコーヒー協会が開催していたもので、代表を選出するために、日本大会を開催することとなりました。アイリッシュコーヒー2杯と、コーヒーを使用したホットもしくはコールドのアルコールベース2杯のデザイナードリンクで競います。

ここまでがWCEの世界大会への出場権を得られる大会。なお、WCEでは、もう1種目、ワールドジャズべ・イブリックチャンピオンシップ(WCIC)という、中東などでみられる濾過しない抽出器具による大会が開催されるが(トルココーヒーもこれにあたる)、日本大会は行われていない。

サイフォン抽出<JSC>

ジャパンサイフォニストチャンピオンシップは、2003年にバリスタチャンピオンシップのサイフォン部門として誕生、2007年から現在の名称となりました。2種類のブレンドコーヒーをサイフォン抽出する技術を競い、そのうち1種はブレンドコーヒーを使ったオリジナルのシグニチャービバレッジ。

日本独自の大会で、2009年からは日本協会主催の世界大会、ワールドサイフォニストチャンピオンシップ(WSC)が開催されています。

ハンドドリップ<JHDC>

ジャパンハンドドリップチャンピオンシップは、ハンドドリップの技術を競う大会で、指定された焙煎豆の抽出技術を競います。こちらも日本独自の大会で、各地方でトーナメント方式の予選が行われ、各地方の予選1位が決勝大会でパフォーマンスをすることができます。

SCAJ以外の主催する大会

 
もちろん、このWCEと繋がる大会以外にも、さまざまな競技会が開催されている。日本ラテアート協会が主催する、フリーポアー・ラテアート・グランプリもそのひとつ。

この大会は、ミルクピッチャー以外の器具を使わないフリーポアーの技術を競うもの。WCEの各競技会は、競技者のプレゼンテーション能力を評価項目に入れる傾向にあることに対して、作品としてのラテアートを純粋に評価する大会となっています。
各大会は、こうした評価基準が異なるため、それぞれに競技者との相性もありますが、客観的な評価を行い、それぞれの分野での技術レベルの向上を目指すという目的は変わりません。

CROWD ROASTERでは、このほかにも焙煎の競技会をバックアップしていきます。
どの大会においても、競技者たちのチャレンジは応援していきたいと思います。


2024.4.17
CROWD ROASTER