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エチオピアコーヒーで耳にする「ウォッシングステーション」とは?

エチオピアのコーヒー銘柄には、ウォッシングステーションの名前が付けられているものがあります。
このウォッシングステーションとは、どんなもので、なぜ必要なのしょうか。

エチオピアのコーヒー農家は小規模農家

 
エチオピアの生産者の多くは、小さな農園を家族で営んでいます。平均的な生産者の農園の広さは、1ヘクタールにも及びません。

自前で収穫したコーヒーチェリーを精選(生産処理)する施設を持つ農家はほとんどいないのです。
そのため、精選所=ウォッシングステーションが必要となります。

ウォッシングステーションは、周辺の数百もの小規模農家から直接コーヒーチェリーを購入しています。

それぞれの農家が収穫したコーヒー豆は、その日のうちにウォッシングステーションへと届けられ、日付と等級のタグがつけられます。その後、伝統的なフルウォッシュドやナチュラル精製で処理されてます。

農家は、農協または個人経営のウォッシングステーションから、より高値で購入してくれるところを自由に選んで取引することができます。

また、ウォッシングステーションはグレード1やグレード2の高級な豆を生産する為に、水路選別やスクリーニングを行い、また手作業による欠点豆の除去など、徹底した選別を行っています。

こうして、毎年レベルの高いコーヒーを生産するウォッシングステーションは、よく知られるようになっていきました。

シダモ地域で知られるウォッシングステーション

 
エチオピア南部のシダモ地域は、品質の高いコーヒーが生産される地域として知られ、エチオピアのウォッシュトコーヒーの基準となる品質であるいわれてます。

この地域にあるのが、トラコントレーディング社が所有するボナズリア ウォッシングステーションです。高品質のエチオピアコーヒーを国際市場に輸出しているトラコン社は、環境に配慮したウォッシングステーションを所有し、持続可能な高品質コーヒー生産に取り組んでいます。
 
CROWD ROASTERでは、このボナズリア ウォッシングステーションのコーヒーをラインナップしています。

2008年にトラコントレーディング社は、ボナズリア ウォッシングステーションを農地とともに取得し、リノベーションを行いながら、グレードの高いコーヒー生産に取り組んでいます。リノベーションによって農地の木の樹齢は若く、生産量や品質の良さを強みにしており、シダモのマイクロクライメットの恩恵を受けた、この地域ならではの風味特性を強く反映したコーヒーが生まれています。

収穫期には同社の所有する農地だけでなく、周辺の小規模な農家からチェリーが納入され、チェリーでの再選別やフローターの除去、果肉除去時のパルピングマシンでの選別を行い、ウェットパーチメントになります。

その後、発酵工程と水路での水洗処理を経てアフリカンベッドに運ばれます。あくまでも伝統的なウォッシュトコーヒーのプロセスに準じた方法を採用していますが、プロセスに使用する水の水質に基準を設けて、これに準ずる清潔な水を貯蔵・利用できるようにしています。

また、発酵工程における時間の管理や乾燥を終える水分値や水分活性値の確認など、常に最善の方法が取れるように測定を行う事で、高品質なコーヒー生産をより安定的に行っています。
 
 
周囲を小高い丘に囲まれたウォッシングステーションでは冷涼な山風が吹き込んでおり、この風を利用して2週間ほどかけてウォッシュトコーヒーの乾燥が行われます。アフリカンベッドは、農業用の遮光シェードを備えた日陰干し用のものもあり、通常のアフリカンベッドにおいても日差しや気温に合わせて簾を利用しながらゆっくりと時間を掛けて乾燥させ、理想的な品質を目指しています。

 
シダモならではの柑橘系のフレーバー、ホワイトチョコレートのような甘さやマウスフィールの厚みから充実感のあるカップバランスに仕上がっています。エチオピア、そしてシダモの魅力を存分に楽しむことができるコーヒーとしておすすめです。
 
ぜひボナズリア ウォッシングステーションのコーヒーを、日本を代表する焙煎士たちに焙煎依頼してみてください!
 

 
2024.4.16
CROWD ROASTER