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100年以上続くパナマの名園 コトワ農園【世界の名農園】

世界に数限りなく存在するコーヒー農園。
グローバル企業が経営する大農園から、庭先にコーヒーを植えているような超零細の農家まで、世界の生産地にはさまざまな規模の、さまざまな形態のコーヒー農園がある。
 
そうした数多の農園の中で、トレーサビリティや地域性を重視するスペシャルティコーヒーという考え方の隆盛にともなって、世界的に有名となったコーヒー農園が出現した。
 
そのなかでも別格といえるような、世界の「名農園」を紹介していくこの連載。
今回はパナマのコトワ農園について紹介する。
 

100年以上の歴史を持つ名園

パナマ西部、バル火山の裾野に広がるコトワ農園は、1918年にマッキンタイヤー氏が拓いた歴史ある農園だ。
火山から流れる豊富な水を利用して水力発電のコーヒー精選所を作り、すべて自然の状態で栽培から精選・乾燥までを始めた。

4代目で現在の農園主リカルド・コイナー氏は、パナマにおけるスペシャルティコーヒー栽培の第一人者として、世界中で高く評価されている。
数々の品評会での受賞経験があり、「コトワ」の名はブランドとして知られている。

さらに、ボケテの美しい自然と人々の暮らしを守るために、これまで周囲に500本以上の果樹を植林したり、また、水の利用を抑制し、手つかずの森を保護するなど、環境への配慮にはとくに力を入れている。
 
そんなコトワ農園を支えているのは「5つの農園」。

コトワ農園は、フィンカ・コトワ・ダンカン(Finca Kotowa DUNCAN)、フィンカ・コトワ・ドン K(Finca Kotowa Don K)、フィンカ・リオ・クリスタル(Finca RIO CRISTAL)、フィンカ・コトワ・トラディショナル(Finca Kotowa TRADICIONAL)、フィンカ・コトワ・ラス・ブルーハ(Finca Kotowa LAS BRUJAS)の5つの農園から構成されている。「フィンカ」とは「農園」を意味する言葉だ。

バル火山の東斜面に位置する農園からは、片側から遠くの太平洋が見え、反対側に大陸分水嶺近くの険しい山々が連なる。この地域の独特の気象条件の組み合わせが、独自の複雑なフレーバーを生み出している。

コトワ農園を支える5つの農園

 
5つの農園の詳細を見てみよう。

フィンカ・コトワ・ダンカン

地域:ボケテ地区エル・サルト(EL Salto)
標高:1,650m - 1,750m
温度:最高気温22ºC、最低気温13ºC
降水量:1,900mm
品種:ゲイシャ、カトゥーラ
精製方法:ウォッシュト、ナチュラル

フィンカ・コトワ・ドン K   

地域:ボケテ地区エル・サルト(EL Salto)
標高:1,700m - 1,750m
温度:最高気温22ºC、最低気温13ºC
降水量:1,750mm
品種:ゲイシャ、カトゥーラ
精製方法:ウォッシュト、ナチュラル

フィンカ・リオ・クリスタル

地域:ボケテ地区リオ・クリスタル(Rio Cristal)
標高:1,700m - 1,850m
温度:最高気温22ºC、最低気温13ºC
降水量:2,550mm
品種:ゲイシャ、カトゥーラ
精製方法:ウォッシュト、ナチュラル

フィンカ・コトワ・トラディショナル

地域:ボケテ地区パロ・アルト(Palo Alto)
標高:1,300m - 1,400m
温度:最高気温26ºC、最低気温15ºC
降水量:2,250mm
品種:カトゥーラ
精製方法:ウォッシュト

フィンカ・コトワ・ラス・ブルーハ

上記の4つのフィンカの他に、比較的近年買い足されたフィンカ・コトワ・ラス・ブルーハ(Finca Kotowa LAS BRUJAS)がある。


このように農園ごとに栽培環境がまったく異なるため、コトワ農園とひとくちに行っても、それぞれの個性が現れるコーヒーが生み出されている。

たとえば、ダンカン農園で生産されたコーヒーはアメリカとヨーロッパで有機認証を取得。2020年、Best of Panamaのトラディショナル部門で、ダンカンのカトゥーラが2位を受賞。さらに2023年には、ラス・ブルーハがVarietals部門(ゲイシャ以外)で4位を獲得するなど、今なおパナマのトップを走り続ける名園なのだ。

CROWD ROASTERで飲める「Best of Panama」のコーヒー

コトワ農園をはじめとするパナマ コーヒーの名園の中から、パナマ ゲイシャの希少ロット3種を、東京・千駄木「ignis」の焙煎士、土橋永司さんが焙煎した「LUNA DE PANAMA BOX」が登場。

「Best of Panama」に毎年のように入賞している、トップ中のトップである3農園のコーヒー【アルティエリ ゲイシャ】【ジャンソン ゲイシャ】【ハートマン ミフィンキータ チチョガロ】を贅沢にパッケージした飲み比べセットだ。


土橋さんが「圧倒的」と評し、「フレーバー強度も、味の複雑さも、余韻の長さも、酸味の質もスイートネスの高さも、圧倒的においしい」と太鼓判を押すコーヒーは、世界的にみてもほとんど流通していない。

CROWD ROASTERでも数量限定でのご提供となる。ぜひこの機会にパナマ ゲイシャの真髄をおためしあれ。



 
 
2024.02.01
CROWD ROASTER