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アグトロン値とは?焙煎度を客観的に判定する方法

焙煎度の計測する方法は?

以前の記事で、8段階の焙煎度合いについてご紹介しましたが、あくまで目安であるともお伝えしました。
焙煎度を客観的に計測する手法がないわけではありません。

よく使われるのは、焙煎豆の「色」を計測する方法です。
もちろん、外観からの評価になるので、コーヒー豆の内部の焼け具合などについてはわかりません。

しかし、色を比較することによって焙煎度を判定することは可能です。

SCAのカッピングで使われる「アグトロン値」


SCA(Specially Coffee Association)では、カッピング規約でAgtron(アグトロン、Agtron Gourmet Color Scale)などの数値が使用されます。
アグトロンは、米国アグトロン社から発売されている食品用分光光度計のことで、近赤外線で焙煎豆の色を判定します。

その数値は「Agtron number」とも呼ばれます。
計測機器としては、Agtron numberと同じ数値を計測することのできるLighttells社の製品も日本ではよく使われています。

ここではアグトロン値と焙煎度の対応の一例を掲げますが、あくまで一例ですので、数値が大きければ浅煎り、小さければ深煎りという関係性を理解していただくための例と考えてもらえればと思います。
 
焙煎度とアグトロン値
ライトロースト:80-70
シナモンロースト:70-58
ミディアムロースト:58-50
ハイロースト:50-45
シティロースト:45-40
フルシティロースト:40-35
フレンチロースト:35-25
イタリアンロースト:25未満

日本で使われる「L値」とは?

 
一方、日本では焙煎度を客観的な数値で表した元として「L値」が使われます。「L値」は、ミルで挽いた粉の明度を色差計で測定した値です。

L値というのは、国際照明委員会によって定められたLabという規格のうち、明るさを表す”L”の値のことで、黒のL値=0、白のL値=100となります。
しかし、L値は色相を表す、”a”と”b”の値によって変動する値なので、こちらもあくまでも参考数値として考えた方がよいとされています。

全日本コーヒー協会の検定本では次のように紹介されています(教本でも参考L値と表現)。
 
焙煎度と参考L値
ライトロースト:27.0以上
シナモンロースト:25.0以上 27.0未満
ミディアムロースト:22.5以上 25.0未満
ハイロースト:20.5以上 22.5未満
シティロースト:18.5以上 20.5未満
フルシティロースト:16.5以上 18.5未満
フレンチロースト:15.0以上 16.5未満
イタリアンロースト:15.0未満
 
このようにどちらの数値も、値が大きいほど焙煎度は浅くなります。
こうした焙煎度の判定は数値で行えば、ばらつきは抑えられるため、比較には有用です。

ここまで焙煎度の数値での判定についてお伝えしてきました。
焙煎度については、今後の記事でもさらに詳しくご紹介していきます。
 
 
2024.1.18
CROWD ROASTER