スペシャルティコーヒーの産地としてのエチオピアは、世界のコーヒー生産地の中でも特別な地位にあるといえるでしょう。
その品質や独特のフレーバー、多様な原生種など、アラビカ種発祥の地ならではの特別なコーヒーが生まれる地です。

エチオピアコーヒーの歴史についてはこれまでも取り上げてきましたが、この記事ではその特徴や生産地域についてご紹介します。

 

先述の通り、エチオピアはアラビカ種のコーヒーノキが生まれた地で、膨大な数の土着品種群が生育し栽培されています。
遺伝的な多様性が保たれたこの集団は、エチオピア原種（原生種）やエアルーム（Heirloom）と呼ばれています。

こうした多様な原生種が存在するエチオピアのコーヒーの特徴は、フローラルでティーライクなフレーバーです。また、シトラス系の酸味も特徴の一つです。

他の地域ではなかなか味わうことのできない、こうした独特の風味は、スペシャルティコーヒーの入り口として、すすめられることも多いと思います。一般的なコーヒーのイメージとは一線を画す、独特なフレーバーです。

近年世界中で人気のゲイシャ種もエチオピア原産で、その特徴とされるフローラルやジャスミンのフレーバーは、エチオピア産のコーヒーと共通しています。

エチオピアのコーヒー銘柄は、農園名で流通することは少なく、地域の小規模生産者のコーヒーチェリーを集めて精製する、ウォッシングステーション（WS）の名称や、生産地域名で流通することがほとんどです。

地域のなかでも、よく知られたいくつかの地域名は、一つのブランド名のように扱われます。
その代表的な地域についてご紹介しましょう。

 

エチオピアの中でも代表的なブランドとなっている生産地域がシダモです。Shidama県を中心とした地域で、その特徴は柑橘系のフレーバーと甘さ、そしてなめらかな質感。フローラルのフレーバーもあり、まさにエチオピアのウォッシュトを代表する正統派のコーヒーです。

 

エチオピアの中でもテロワールがはっきりした特徴的なコーヒーを生む産地で、スペシャルティーコーヒーの銘柄としてはもはや定番といえるでしょう。

イルガチェッフェの地域内でもさらに細かいエリアやウォッシングステーション、農協などのロットが多くオファーされています。

いわゆるイルガチェッフェのフレーバーはジャスミンのような花の香りにシトラス、ティーライクといわれる紅茶感が特徴。
さらにジンジャーや乳酸のようなニュアンスが出たり、地域内でも多様性があります。

 

一昔前までシダモ地域に分類されていたグジ。今では独自のフレーバーと多様性を持つ地域として認知され、COEで入賞したコーヒーも数多く輩出しています。

その特徴は、比較的繊細な印象のあるエチオピアの中では異色なパワフルさにあり、酸、甘さともにしっかりと力強さがあるテロワールです。

このほかにも一説には「カフェ」の語源となったというカッファ地域や、古くはイエメンのモカ港から輸出されていたハラーなど、伝統のある産地もありますが、スペシャルティコーヒーとしての知名度では、これまで上げた地域が代表的かと思います。

 

CROWD ROASTERでは、これらの地域の特に品質が高く、特徴的なエチオピアコーヒーを扱っています。
ぜひローストイベントとして、好みの焙煎士に焙煎を依頼してみてください。

2023.12.25

CROWD ROASTER