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デカフェ、コーヒーからカフェインを除く方法


カフェインの摂取量をさまざまな理由で減らす必要があるときに、デカフェ、つまりカフェインを除去したコーヒーが選択肢に入ってきます。

この記事ではカフェインの除去方法をいくつか解説していきます。

そもそもデカフェとは?

デカフェとは、カフェインがごく少量しか含まれていないコーヒーのことを指します。

日本では、カフェインを90%以上除去したものであれば、「カフェインレスコー ヒー」「デカフェネィテッドコーヒー」等の表示ができますが、ヨーロッパではコーヒー豆の0.2%以下のカフェイン含有量でなければ、デカフェということはできません。

ごく一部のコーヒーはもともとカフェインが低く、また、カフェインを含まないよう遺伝子組み換えされたコーヒーも存在はします。

しかし一般的に遭遇するカフェイン抜きのコーヒーは、カフェイン抜きの化学的なプロセスを受けています。

コーヒーからカフェインを除去するにはいくつかの方法があり、それらは焙煎する以前の、生豆の状態で行われます。それを焙煎することでデカフェのコーヒーがつくられます。

一般的にカフェイン抜きのコーヒーは、カフェインありのコーヒーとは少し味が異なります。その変化は、元のコーヒーと使用される方法によって異なります。また通常、どの方法もごく少量のカフェインが残ります。

カフェイン除去の4つの代表的な方法


では、カフェインを抜くプロセスをいくつか紹介します。

塩化メチレンプロセス


メチレン塩化物は、MCまたはジクロロメタンとも呼ばれます。生豆をお湯に浸し、塩化メチレンを加えてカフェインを引き出す化学溶媒プロセスです。

その後、MC/カフェイン結合粒子をろ過し、豆に水分を補給します。しかし発がん性などに懸念があり、日本では溶媒にこのMC/ジクロロメタンを使用することは禁止されています。

酢酸エチル/サトウキビサプロセス


溶媒に使われる酢酸エチル(EA)は、バナナやブラックベリーなどの腐った果物から自然に発生し、サトウキビによる砂糖作りの副産物でもあります。
しかし、EAは石油誘導体から化学的に合成することもできます。

このプロセスでは、生豆を低圧で蒸してからEAに浸し、カフェイン粒子を結合して引き出します。コーヒー産地でのカフェイン除去はこの方法が多く用いられます。

スイスウォータープロセス


生豆をゆっくりと水に浸して、カフェイン粒子を置き換える抽出物を作る独自のプロセス。カフェイン以外の成分で飽和された水を使います。コーヒーは、カフェインのみを閉じ込め、他の可溶性固形物やフレーバー化合物をそのまま保持できるようにするカーボンフィルターを介してろ過されます。

コーヒーに化学溶剤が添加されていないため、スイスウォーターではカフェイン抜きプロセスによる残留風味がほとんどないと考えられています。

マウンテンウォータープロセス


これはスイスウォーターと同様に水を使うプロセスですが、メチレン塩化物を使用します。メキシコの企業で行われており、メキシコのデカフェは、多くの場合、マウンテンウォータープロセスを使用しています。

CO2プロセス


こちらも化学溶剤を追加しないプロセスで、ヨーロッパで人気のある方法です。このプロセスでは、液体(もしくは超臨界状態)の二酸化炭素が、生豆からカフェイン粒子を液体に引き出します。その後、液体はろ過され、気体状態に戻り、カフェインは再び分離されます。

CO2プロセスでは、フレーバー化合物はプロセス全体を通してコーヒー豆に残り、フレーバーの特性は十分に保持されているといわれています。

ここまで、現在よく使われているカフェインの除去方法をご紹介してきました。

化学的溶剤の有無やフレーバーに対する影響など、それぞれに違いがありますので、デカフェのコーヒー豆を扱う際や、飲むときには、どんな方法でカフェインが除去されたかを確認すべきだといわれます。デカフェ選びの参考にしてみてください。


2024.01.22
CROWD ROASTER