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「DFS」と「CBR」とは何か知っていますか?コーヒーの指標を解説

 
コーヒーの抽出の際に使われ、味わいを決める数値や値はいくつかあります。特に知られているのが、濃度=TDSと収率=EYです。

液体の濃さを表す「TDS」。これは、Total Dissolved Solidの略で、日本語では「総溶解固形分」という意味です。
抽出されたコーヒーの液体にどれだけコーヒーの成分が含まれているかを示す値で、パーセントで表します。これは専用の濃度計で計測します。

収率=「EY」とは、Extraction Yieldの略で、これはコーヒーの粉からどれくらい成分が水に溶け込んだかの割合を示します。
成分の移動の割合をパーセントで表したもので、前述のTDSがわかれば計算することができます。計算式は次のようになります。
 
EY(%)= 抽出されたコーヒーの液量(g)× TDS(%)÷ 使用したコーヒーの粉(g)

これが濃度=TDSと収率=EYの値です。
そのほかにも使われる指標として、「DFS」と「CBR」と言われるものがあります。今回はこれについて解説していきます。

「DFS」はフレーバーの強さを表す

 
コーヒーの重要な特徴である風味の明瞭さ、フレーバーの強さを表すのがDFSです。DFSは、Definition of Flavor Structure、つまり「風味の構造」と呼ばれています。

抽出において、風味は高い収率方向で明確になる傾向があり、コーヒーの粉の粒度、細かさに大きく影響されます。

細かくなるほど、重量に対する比表面積が大きくなり、内部の空洞と組織が外部に露出します。そのため、揮発性とアロマ成分が水に容易に溶解し、風味がより際立ちます。

一方で、粉砕が極端に細かすぎると、より多くの味成分が抽出されてしまいます。ある一定以上になると、苦味と過剰な味成分が風味の印象を圧倒し、不明瞭でマスキングされる過抽出となります。さらに細かすぎると、金属的で荒い余韻を与える恐れのある超微細粉が増えてしまいます。

こうした傾向がありますが、DFS=風味の明瞭さは機械的に決定できる指標ではありません。

「CBR」とは、抽出に用いられるブリューレシオのこと

 
コーヒーの濃度は、主にコーヒーレシピ、つまりコーヒーと水の比率によって決まります。この比率は一般にCBR(Coffee Brew Ratio)と呼ばれ、コーヒーに対する水の量を示しています。

例えば、CBR1:14はコーヒー1に対する水の量が14ということになります。

このブリューレシオは、自分でコーヒーを抽出される方には、お馴染みといってもいいかもしれません。
この調整によって目指す味わいのコーヒーを淹れることができます。

もう少し広く見ると、濃度はコーヒーのスタイルを規定します。つまりエスプレッソなのか、ドリップコーヒーなのかといった点です。その濃度はおおよそTDS値で定量化できます。

原則としてコーヒーの濃度は、CBRによって決まります。エスプレッソのように高い濃度のものはCBRが低く、ドリップコーヒーのように低い濃度のものはCBRが高くなる傾向にあります。

それぞれのカテゴリで、適正な濃度を決めるのにCBRはとても役立つ数値となっています。これを調整することで、狙った濃度のコーヒーが抽出できるのです。

それぞれの数値の利用

 
このように、DFSが風味の明瞭さを表す一方で、CBRは濃度を表す重要な値となっています。抽出時にはこれらの値を意識して最適な状態を見極めることが大切です。

コーヒーの風味や濃度を数値化したDFSやCBRは、抽出条件を決める上での目安にはなりますが、あくまでも目安に過ぎません。

これらの数値だけでコーヒーの美味しさを決めつけることはできません。高いDFS値やちょうど良いCBR比率であっても、コーヒー豆の質や抽出方法次第で全く異なる味わいになるからです。数値を参考にしつつも、最終的には自分の舌で味わって美味しさを判断することが何より大切なのです。
 
 
2024.4.6
CROWD ROASTER