■ラ・メゾン・ド・ビィ(La Maison de la Bergeronnette GINZA) 関啓吏シェフパティシエ インタビュー
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2月23日に開催される「ACTS OF ARTISTRY - 1st SEASON」。小坂田祐哉さんが焙煎、抽出する、世界最高峰のパナマゲイシャと銀座の革新的スイーツが出会う特別なイベントです。開催を前に、スイーツを担当する、ラ・メゾン・ド・ビィ(La Maison de la Bergeronnette GINZA)の関啓吏シェフに、コーヒーとスイーツの新しい関係性について語っていただきました。
── 今回のイベントについて、どのような思いで臨まれますか?
Raw Sugar Roastの小坂田さんという、トップクラスの焙煎士、バリスタの方と、このようなコーヒーとスイーツの共演ができることに、大きな期待を感じています。パティシエ単独でコーヒーとスイーツの関係を発信するのと、コーヒーのプロフェッショナルとパティシエが共に発信することでは、全く異なる価値が生まれると思います。より深く、コーヒーとスイーツのあるべき本当の関係性、立ち位置というものを、一歩踏み込んで表現できる機会になるのではないかと考えています。
Raw Sugar Roastの小坂田さんという、トップクラスの焙煎士、バリスタの方と、このようなコーヒーとスイーツの共演ができることに、大きな期待を感じています。パティシエ単独でコーヒーとスイーツの関係を発信するのと、コーヒーのプロフェッショナルとパティシエが共に発信することでは、全く異なる価値が生まれると思います。より深く、コーヒーとスイーツのあるべき本当の関係性、立ち位置というものを、一歩踏み込んで表現できる機会になるのではないかと考えています。
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── 関シェフが考える、コーヒーとスイーツの理想的な関係性とは?
多くの人が、コーヒーとスイーツの関係を「甘いものと苦いもののバランス」と捉えがちです。甘いものを食べたから、苦いもので口をリセットしたい、苦いものを飲んだから甘いものが欲しくなる。でも、それは違うんですね。
本物の素材と、卓越した感性と技術によって生まれる本当のスイーツとコーヒーの関係性。それは、素材と素材が出会った時に起こる化学反応のような、新しい体験なんです。
スイーツは、あくまでも素材の延長線上にある一つの結晶だと考えています。だからこそ、上質なコーヒーという素材と出会った時に、どういう変化が生まれるのか、どういう新しい表現が可能になるのか、隠れていたポテンシャルがどう引き出されるのか。五感で感じていただける、新しい体験を提供したいと考えています。
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── そのような考え方に至ったきっかけを教えていただけますか?
20代後半の頃、大きな転機がありました。それまではパティスリーやレストラン、ウエディング、大型レストランなど、様々な現場で経験を積み、新しいレシピと出会う日々を送っていました。
しかし、ある時期に素材そのものにより深くフォーカスを当て始めたんです。特に、オーガニックや食の安全性という観点から素材を見直した時、そうした素材には、それまでのレシピを覆すほどの力強さ、ポテンシャルを感じました。
高級食材のフォアグラやキャビアではなく、もっと素朴な卵、砂糖、塩、水、生野菜、皮ごと噛みしめた果物、そうしたオーガニックを追求した素材との出会いが、私の価値観を大きく変えたんです。
高級食材のフォアグラやキャビアではなく、もっと素朴な卵、砂糖、塩、水、生野菜、皮ごと噛みしめた果物、そうしたオーガニックを追求した素材との出会いが、私の価値観を大きく変えたんです。
そこから先は、これまでレシピは全く通用しなかったといったら言い過ぎかもしれませんが、ちょっと意味をなさなくなったんです。今まで培ってきたレシピが、全く別のものと出会った感じでした。そして、自分が変化することで、レシピだけでどんなに工夫をしても、食べたことのあるような味にしか感じることができなくなったんですね。
そこから、素材の本質を追求していくことが始まりました。
そこから、素材の本質を追求していくことが始まりました。
なぜ多くの人が同じような原材料、同じような砂糖や塩を使うのか、という疑問も生まれました。
もちろん世の中には効率性を重視する考え方も必要です。
でも、今の僕が伝えたいことは、本当にいい素材で作ったもの、手を加えたもの、それが本当にマリアージュしたときに、プリン1つとっても、アイスクリーム1つとっても、「食べたことあるはずなのに食べたことない味がする」、そんな体験を提供したいという思いが、出発点になっています。
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── 今回提供されるパナマゲイシャを試飲されての印象は?
共通して言えることは、この品質の高い豆と、焙煎・抽出の技術があってこそ成り立つ、繊細さですね。どこか一つでも欠けたら崩れてしまうような。だからこそ、それに寄り添うスイーツも、砂糖の使い方一つ、慎重に考えなければならない。悪い意味でスイーツが勝ってしまわないように。
特に印象的だったのは、単なるフレーバーの違いだけでなく、甘みの質や、温度が変化しても持続する風味の強さです。一瞬のインパクトではなく、じわじわと体中に染み渡っていくような、そんな奥深さを感じました。
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── 具体的にはどのようなスイーツを?
各コーヒーの個性に合わせて、様々なアプローチを考えています。例えば、自然本来の甘みだけで作る砂糖不使用のもの。あるいは、コーヒーの表面的なフレーバーとは真逆の要素をぶつけることで、口の中で新しい味わいを生み出すものなど。
特に最初のエスメラルダ スペシャルは、インパクトがありながらも繊細さを感じる印象的な味わい。和と洋の要素が絶妙に混ざり合うような特徴を感じました。そこで、誰もが知っているような素材を使いながらも、想像を超える味わいを提案したいと考えています。
2つ目のラ・ウエリア農園のコーヒーには、エスメラルダとは異なる華やかさがあるので、香りをテーマにしたデザートを。3つ目のアルティエリ農園のアイスコーヒーは、果実のような上質な甘さが特徴的で、あえて和の素材を組み合わせることで、新しい甘さの表現を目指しています。
最後のアブー農園は、試飲した瞬間からカカオの風味を感じました。ただし、単純にカカオを使ったデザートでは、コーヒーの繊細さを損なってしまう。そこで、砂糖の使い方を工夫し、より繊細なカカオのデザートに仕上げていきたいと考えています。
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── 最後に、このイベントに期待する方々へメッセージをお願いします。
コーヒーのプロフェッショナルの方々も、仕事上必ずスイーツとの組み合わせを考える機会があると思います。その中で、『甘ければいい』というわけではないと感じている方も少なくないはず。しかし、なかなか理想的なスイーツとの出会いがない、というもどかしさを感じていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
コーヒーの世界には品質の違いがあるように、スイーツの世界にも同じことが言えます。今回のイベントでは、コーヒーだけでは生まれない、スイーツとの出会いによる新しい体験を、ぜひ楽しみにしていただければと思います。そして、その体験が、皆様の中で新しい記憶として残っていくことを願っています。
ACTS OF ARTISTRY - 1st SEASONは、2025年2月23日、La Maison de la Bergeronnette GINZAにて開催。予約はCROWD ROASTERアプリにて受付中。
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「ACTS OF ARTISTRY - 1st SEASON」開催概要
•日時:2025年2月23日(日)14:30 開場、15:00 スタート
•会場:La Maison de la Bergeronnette GINZA(東京都中央区銀座5丁目5-12 HULIC&New GINZA MIYUKI5 9階)
•参加費:33,000円(税込)
•定員:10名様限定
•予約:CROWD ROASTERアプリにて受付
•日時:2025年2月23日(日)14:30 開場、15:00 スタート
•会場:La Maison de la Bergeronnette GINZA(東京都中央区銀座5丁目5-12 HULIC&New GINZA MIYUKI5 9階)
•参加費:33,000円(税込)
•定員:10名様限定
•予約:CROWD ROASTERアプリにて受付
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