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世界で注目されるパナマコーヒーの実力

 
現在、CROWD ROASTERでは、パナマのスペシャルティコーヒーを代表する農園の、非常に品質の高いコーヒーをラインナップしています。

パナマといえば、ゲイシャ。
そのパナマ ゲイシャを世界に広めたエスメラルダ農園の最上級ランク「エスメラルダ スペシャル」を、焙煎日本チャンピオンの仲村良行焙煎士が仕上げた特別商品をはじめ、国際品評会「ベスト オブ パナマ」で何度も1位を獲得したハートマンファミリーの農園、そして同国のスペシャルティコーヒーの草分け的な農園、コトワ農園という、3つの農園のコーヒーを取り扱っています。

■エスメラルダ農園「エスメラルダ スペシャル」ゲイシャ ナチュラル×仲村良行【特別商品】
 
 
■コトワ農園 エチオピア原種 ナチュラル

ここでは改めてパナマコーヒーの魅力について、紹介したいと思います。

コーヒー栽培に適したパナマ

パナマ共和国は、南北アメリカを繋ぐ中央アメリカに位置する国。西はコスタリカ、東はコロンビアに接しています。パナマの面積は約7万5千キロ平方メートルで、北海道くらいの大きさ。パナマといえば、パナマ運河が有名ですが、そのほかにも船舶、鉱業、観光業なども主要産業となっており、農産物ではコーヒーが主要な位置をしめています。

国土の8割は山岳地帯で、残りの多くは熱帯雨林が広がっています。
気候は熱帯性で、地域によっては火山性の肥沃な土壌を持ち、寒暖差がしっかりあることから、コーヒー栽培に適した環境となっています。

コーヒー栽培の歴史

 
コーヒーの栽培が始まったのは中央アメリカの中では遅く、1870年〜1890年頃から、パナマの西側にあるチリキ県のボケテ地区で始まりました。
この頃すでに周辺国でコーヒー栽培が活発となっており、規模の小さかったパナマコーヒーは周辺国と比べて生産量が低く、国際市場での評価も高くはなかったことから、コスタリカ経由で、コスタリカコーヒーとして出荷されていた時代もあったといいます。

さらに国際的な価格下落で、基盤の弱いパナマコーヒーの輸出は危機に陥りました。この状況から、パナマはコーヒーの品質を高めて、スペシャルティコーヒーの産地として付加価値化を図る方針をかため、パナマスペシャルティコーヒー協会を設立。「ベスト オブ パナマ」という国際品評会・オークションを開催し、世界にコーヒーの品質を打ち出すようになりました。

この枠組みの中で、まさに彗星の如く現れたのが、エスメラルダ農園のゲイシャ種。かつてない価格で競り落とされたパナマ ゲイシャは、ゲイシャを世界的に流行させ、パナマコーヒーの品質を世界に知らしめることとなったのです。

栽培地域と栽培方法

 
コスタリカに近い西部のチリキは、太平洋の海の幸にも恵まれ、また高地では酪農や農業が盛んでパナマの食糧の70%以上を供給している豊かな県。そして、パナマでもっとも高い山であるバル火山(3,474m)の東斜面にあるボケテ地区と、西斜面に位置するボルカン地区は、高品質のコーヒーを産地として知られています。土壌は火山灰性のものとなっており、ミネラル分を豊富に含んだ豊かな土壌になっています。

コーヒーの栽培は標高1,500m~1,700mのエリアで主に行われています。 この標高の高さが、昼と夜の寒暖差を生み出して、風味豊かなコーヒーの栽培を可能にします。一方で、熱帯エリアならではの、はっきりした雨季と乾季があり、霧が発生する地域も多く、適度な気温を保つこととなっています。

コーヒーの精選方法(プロセス)では、雨季と乾季がはっきりしている気候から、丁寧に収穫されたコーヒーチェリーを天日干しによって乾燥させるナチュラルが基本となっています。その上で、さまざまなフレーバーをつくるために他の精選方法も用いられるようになりました。

パナマ産のコーヒー豆の等級は栽培されるコーヒー豆の標高の高さによってランク分けされます。標高の高さに応じて3段階で評価されており、標高1,350m以上で栽培されたコーヒー豆はSHB(ストリクトリー ハード ビーン)、標高1,050m~1,350mで栽培されたコーヒー豆はHB(ハード ビーン)、標高900m~1,050mで栽培されたコーヒー豆はEPW(エクストラ プライム ウォッシュド)と呼ばれています。

劇的だったゲイシャ種の登場

 
このように品質を高めてきたパナマのコーヒーですが、転機となったのは先述のようにゲイシャの登場です。エチオピア発祥のゲイシャは、まずパ隣国であるコスタリカに移植されました。そこから1963年にパナマで最もコーヒーの栽培が盛んなチリキ県ボケテ地区に初のゲイシャコーヒーが移植されました。

ゲイシャ種はさび病に強い品種としてパナマに導入されたのですが、標高の高さが必要であるなど条件があり、コーヒーの木の背の高さがティピカ種やブルボン種に比べて2倍近くになり栽培が難しい、しかも収穫量が少ないといったようにデメリットが多く、コーヒー農家に広がることはありませんでした。

しかし、その可能性に気づいたエスメラルダ農園で、再発見されるという劇的なストーリーが待ち受けていました。
その後のゲイシャの快進撃は、今に至るまで続いています。ゲイシャフレーバーとも称される、ユニークで高貴なフレーバーはコーヒー業界に衝撃を与え、瞬く間に世界中で高く評価されることとなりました。


そして先進的なパナマのコーヒー農園では、ゲイシャの「次」を見出すべく、実験的な試みも活発に行われています。
パナマから、次はどんなコーヒーが登場するのかが楽しみです。

パナマコーヒーを味わって、そんなパナマに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
 
2023.5.1
CROWD ROASTER