STORY

器具を選ぶ時の基準 (1) ドリッパー編

近年のコーヒーブームにより、様々な抽出方法が増えてきています。
それに伴い、数多くのコーヒー器具も出てきており、器具を選ぶのも大変になってきていると思います。

そんな方々に向けて、器具を選ぶ時の基準をお伝えしていければと思います。
第1回目は、「ドリッパー」についてお話しいたします。

穴の大きさによる違い

まず一つ目は「穴の大きさによる味わいの違い」です。

ドリッパーによって底面にあいている穴の大きさが違うものがあります。

穴が小さい方がお湯の通りが遅くなるため、抽出に時間がかかり、濃い目の味わいになりやすい傾向にあります。
 
逆に穴が大きい方がお湯の通りがよくなり、スッキリとした印象の味わいになりやすい傾向にあります。
 

穴の数による違い

底面にある穴の数によっても味わいが変わります。
(穴の大きさが同じ場合)

穴の数が少ないほうがお湯の通りがゆっくりになるため、じっくり抽出され、濃いめの味わいになりやすい傾向にあります。
逆に穴の数が多くなると、抽出スピードが早まるため、コーヒーとの接触時間が短くなり、スッキリめの味わいになりやすい傾向にあります。
 

形による違い

ドリッパーの形によっても味わいの違いが生まれます。
主に使われているのは、「台形型」と「円錐型」です。
 
台形型ドリッパーはお湯が底で溜まりやすいため、しっかりとした味わいのコーヒーになりやすい傾向にあります。
 
円錐型ドリッパーは台形と比べると、お湯の流れがスムーズなため、スッキリとした印象の味わいに抽出される傾向にあります。
 

材質による違い

ドリッパーの材質は、「プラスチック」、「陶器」、「ガラス」がメインです。

プラスチックは安価に手に入りますが、プラスチックの香りがついてしまったり、温度変化がしやすいため、抽出クオリティが安定しない可能性があります。

一方、陶器やガラスはプラスチックと比べると、価格は上がりますが、保温性に優れているため、温度変化が起こりにくく、安定した抽出を実現してくれます。
 
 
銘柄や抽出のアプローチ方法によっても味わいが変わるため、一概には言えませんが、使うドリッパーによっても味わいをコントロールすることが可能です。

私はその日の気分や、銘柄の特徴に合わせてドリッパーを使い分けて抽出をしています。

いろいろなドリッパーを使ってみるのも楽しいかもしれません。

2023.05.27
Hiroto Usukura