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恵まれた栽培環境を誇る、エルサルバドル【世界のコーヒー産地紹介】


エルサルバドル共和国は、中央アメリカの中部に位置する小さな国です。日本の四国よりやや大きい程度で、中央アメリカでもっとも小さい国であり、グアテマラと、ホンジュラスに国境が接しており、南と西は太平洋と面しています。

コーヒーに適した栽培環境

エルサルバドルは国土は小さいものの、コーヒー栽培には適した恵まれた環境に恵まれています。

エルサルバドル国内には火山が20以上あ理、火山灰を多く含んだ土壌はミネラルが豊富です。
さらに国土のほとんどが高地で標高が高いため、寒暖差があり、気温は赤道直下にもかかわらずあまり上がりません。雨季と乾季ははっきりと分かれ、5月~10月の雨季には、まとまった量の雨が降り注ぎます。

このように高品質なコーヒーの栽培に最適な環境が揃っているのです。

コーヒーの生産状況


エルサルバドルでのコーヒー栽培は、国の農業生産の約30%を占めているといわれ、重要な産業となっています。
ただ、大規模な農園は少なく、機械化が進んでいない小規模農園がその多くを占めます。

コーヒーの栽培を国が後押ししており、エルサルバドルでは、国立のコーヒー研究所が存在し、ブルボン種の栽培管理や、品質改善や耐病性、生産効率の向上などに向けた品種改良などが行われています。

エルサルバドルでは、病気にかかりやすく育てるのに非常に手間がかかるとされ、他国では栽培が減少したブルボン種を多く生産しています。内戦のために植え替えが進まなかったためです。

その一方でコーヒー研究所では品質改善が盛んで、「パカマラ」を生み出したことで知られます。ブルボン種が突然変異して生まれた「パカス(Pacas)種」と、丈夫で果実が大きい「マラゴジッペ(Maragogype)種」を掛け合わせたもので、そこから「パカマラ」と名付けられました。
エルサルバドルのスペシャルティコーヒーを象徴する品種となっています。
  
コーヒーの精選方法は主にウォッシュドが中心です。

コーヒー栽培の始まりと産地の特徴

コーヒーの栽培が始まったのは1840年代といわれており、1870年代に欧米で起こった第二次コーヒーブームといわれる時期に、本格的にコーヒー産業に参入しています。

コーヒーの生産は内戦による衰退の時期を経て、その後品質に重点を置くことでゆっくりと回復。現在では主要な輸出品となっています。

主な生産地域はいくつかありますが、代表的なところではアワチャパン、サンタアナ、カバニャスが挙げられます。


アワチャパンはエルサルバドルの西部に位置し、標高が高い地域。この地域のコーヒーは、酸味がありながらもバランスが取れた風味が特徴で、フローラルでフルーティーなニュアンスが感じられることがあります。高品質なコーヒー産地として知られています。

サンタアナはエルサルバドルの中央部に位置し、こちらも標高が高い地域に広がっています。この地域のコーヒーは、クリーンで透明感のある味わいがあり、通常は豊かでバランスがとれた酸味が感じられます。

カバニャスはエルサルバドルの東部に位置しています。この地域では標高が多様で、異なる標高の地域から異なる風味のコーヒーが生産されます。

これらの生産地域は、エルサルバドルのコーヒーの多様性と高品質を象徴しています。生産地域ごとに異なる気候条件や土壌特性が風味に影響を与え、コーヒー生産者はその地域の個性を最大限に引き出すために努力しています。

ちなみにコーヒーの格付けは栽培地の標高により分けられており、1,200m以上は、SHG(Strictly High Grown/ストリクトリー・ハイ・グロウン)、900〜1,200mはHG(High Grown/ハイ・グロウン)、900m以下がCS(Central Standard/セントラル・スタンダード)となっています。
 

これまで日本ではあまり知られてこなかった、エルサルバドルのコーヒー。
品質の高さからこれまで以上に注目されています。

CROWD ROASTERでもエルサルバドルのコーヒーを扱っています。
ぜひこの特徴あるコスタリカコーヒーをお楽しみください。


2024.1.15
CROWD ROASTER