こんにちは!Coffee Fanatic三神です。
生産処理編の第2回は、それぞれの生産国と生産処理の基本的な組み合わせ。そしてその背景をお話したいと思います。
伝統的なコーヒーの業界、いわゆるメインストリームと言われる産業の方では、実は生産処理に優劣が存在していて、それぞれに対応した国で暗にランキングがなされています。
現在のスペシャルティでは様々な生産処理が行われているので、「生産処理に優劣がある」と言うと、なんだか変に聞こえますが、歴史的にどういったコーヒーが“良し”とされたのかが垣間見ることができるので、これはこれで面白いと思います(∩´∀`)∩。
ということで、さっそく生産処理と生産国の組み合わせをご紹介していきたいと思います。まあ、昔のコーヒーマンやロースターであれば知っておかないといけない知識になりますが、今は知っているからと言ってどうだということはありません。でもスペシャルティロースターでも知っておいた方がよりプロフェッショナル度は上がるかも!?
コーヒーの生産国区分(Producing Countries’ Agreement)
Brazilian Natural Arabicas
ブラジル, エチオピア、パラグアイ
Colombia Mild Arabicas
コロンビア、ケニア、タンザニア
Other Mild Arabicas
ボリビア、ブルンジ、コスタリカ、キューバ、ドミニカ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、インド、ジャマイカ、マラウィ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パプアニューギニア、ペルー、ルワンダ、ベネズエラ、ザンビア、ジンバブエ
Robusta
アンゴラ、コンゴ民主共和国、ガーナ、ギニア、インドネシア、リベリア、ナイジェリア、 OAMCAF(ベナン、カメルーン、中央アフリカ共和国、コンゴ、コートジボワール、赤道ギニア、ガボン、マダガスカル、トーゴ)、フィリピン、シエラレオネ、スリランカ、タイ、トリニダード・トバゴ、ウガンダ、ベトナム
ブラジル, エチオピア、パラグアイ
Colombia Mild Arabicas
コロンビア、ケニア、タンザニア
Other Mild Arabicas
ボリビア、ブルンジ、コスタリカ、キューバ、ドミニカ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、インド、ジャマイカ、マラウィ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パプアニューギニア、ペルー、ルワンダ、ベネズエラ、ザンビア、ジンバブエ
Robusta
アンゴラ、コンゴ民主共和国、ガーナ、ギニア、インドネシア、リベリア、ナイジェリア、 OAMCAF(ベナン、カメルーン、中央アフリカ共和国、コンゴ、コートジボワール、赤道ギニア、ガボン、マダガスカル、トーゴ)、フィリピン、シエラレオネ、スリランカ、タイ、トリニダード・トバゴ、ウガンダ、ベトナム
という感じでざっくり4つのカテゴリーになっています。
この一覧に属している国は主にそういったグレード(生産処理に近しい)を生産しているといった理解になりますね。
この中で品質的なランキングをつけるとこんな感じになります。
1.Colombian Mild Arabicas
2.Other Mild Arabicas
3.Brazilian Natural Arabicas
4.Robusta
基本的にアラビカ種がまず品質上位になります。そして1、2は水洗式(Washed)の生産国です(“Mild”という単語が実質“水洗式”を意味する)。3の非水洗式(Natural)の生産国は水洗式生産国の下位に置かれます。
4のロブスタにおいては水洗式、非水洗式の区別はありません。まあ、今のスペシャルティ界隈ではロブスタはまだそれほど熱心にフォローされていませんが、そのうちロブスタのマーケットも活況になるかもしれません。ただやはりロブスタはロブスタの味から逸脱することはありませんし、どんな品種でも基本的に酸をそれほど持ちません。
それではひとつずつ解説していきたいと思います!
それではひとつずつ解説していきたいと思います!
Colombia Mild Arabicas
まずは水洗式上位のColombia Mildです。なぜコロンビアの国名がグループ名になっているかというと、水洗式アラビカで最大の生産量約1,400万袋(1袋60kg換算)を誇る国だからです。なので、コロンビアの品質が基準になります。
歴史的に品質が高いと好まれたこともあり、このカテゴリーに入れる国はたったの三つしかありません。コロンビア、ケニア、タンザニアの3国のみです。この内、品質の筆頭はケニアと思って頂いて結構だと思います。日本だとタンザニアが有名でよく“キリマンジャロ”の銘柄で流通していますね。しかしヨーロッパ、いわゆる欧米サイドで珍重されているのはケニアの方です。
これらの国ではコーヒーは山岳地帯に形成されており、小規模農家が多くなっています。山間で乾燥面積が取れず、さらに雨が降りやすいのと、一日の集積ロットの量がばらつきやすいため小規模生産の水洗式が向いています(というか水洗式じゃないと無理・・・)。コロンビアでは各“小規模農園”から農協がチェリーを購入してコーヒーロットを形成し、ケニア、タンザニアでは各“小規模世帯”からチェリーを購入してコーヒーロットを形成しています。
ケニア、タンザニアは国内でオークションシステムがあるので、品質と価格が上がりやすい地合いなのですが、タンザニアはあんまりうまくいっていないので、コロンビアの方が品質は高いかもしれません。ちなみにコマーシャルの価格比較をすると、Colombia SupuremoとTanzania AA FAQはほぼ同じ値段。対してKenya AA FAQの値段はこれらの2か国の約2倍の価格になります。なので、価格的にもケニアは格上と言えるでしょう。
歴史的に品質が高いと好まれたこともあり、このカテゴリーに入れる国はたったの三つしかありません。コロンビア、ケニア、タンザニアの3国のみです。この内、品質の筆頭はケニアと思って頂いて結構だと思います。日本だとタンザニアが有名でよく“キリマンジャロ”の銘柄で流通していますね。しかしヨーロッパ、いわゆる欧米サイドで珍重されているのはケニアの方です。
これらの国ではコーヒーは山岳地帯に形成されており、小規模農家が多くなっています。山間で乾燥面積が取れず、さらに雨が降りやすいのと、一日の集積ロットの量がばらつきやすいため小規模生産の水洗式が向いています(というか水洗式じゃないと無理・・・)。コロンビアでは各“小規模農園”から農協がチェリーを購入してコーヒーロットを形成し、ケニア、タンザニアでは各“小規模世帯”からチェリーを購入してコーヒーロットを形成しています。
ケニア、タンザニアは国内でオークションシステムがあるので、品質と価格が上がりやすい地合いなのですが、タンザニアはあんまりうまくいっていないので、コロンビアの方が品質は高いかもしれません。ちなみにコマーシャルの価格比較をすると、Colombia SupuremoとTanzania AA FAQはほぼ同じ値段。対してKenya AA FAQの値段はこれらの2か国の約2倍の価格になります。なので、価格的にもケニアは格上と言えるでしょう。
Other Mild Arabicas
このグループカテゴリーは水洗式の生産国だけど、上記のColombia Mildに入れなかった国々で形成されています。かなり失礼な扱いですが(笑)、スポーツで例えると“2軍”といった感じになります。
これらの国々の生産形態も山間に生産地が形成されており、農家は小規模生産者達が主体になります。よって水洗式が基本なのですが、品質的にColombia Mildのグループより劣るといった感じになります。まあスペシャルティではこういったくくりはあまり関係がなくなってきましたが、俯瞰して全般的な品質や生産量との兼ね合いを見ると、それなりに根拠があり、こうしたメインストリームの見方も興味深い物があります。
日本で珍重されたBule Mountainはジャマイカですが、あれだけ高額なコーヒーにも関わらず、Other Mildです。Geishaでブームになったパナマ、スペシャルティで知名度があがったグアテマラ、コスタリカなどもこのグループです。スタバが大好きなスマトラ=インドネシアやエチオピアはそもそもこのグループに入っていません。
Other Mildのカテゴリーでいち早く抜きんでたのはグアテマラになります。コーヒーの流通は農家が農協やチェリーコレクター、チェリー販売所などに収穫果実(コーヒーチェリー)を販売することが通例で、国内での流通はコーヒーチェリーで行われるのが基本です。しかしグアテマラは収穫後のチェリーを農家や農協ですぐに生産処理を行って、ドライパーチメントの状態まで仕上げ、それを国内での流通に乗せる生産国になりました。
コーヒーの水洗式(Washed)生産処理において一番重要なのは、収穫後のチェリーを1日にと置かずにすぐに生産処理を行う事です。収穫後はチェリーが自己消化したり発酵したりして品質が変異します。なので、早い段階で乾燥したパーチメントまで仕上げてそれを国内流通に乗せるGuatemalaがこのグループの中で頭角を現しました(まあスタバが愛好したということもあるんだけどね)。ちなみに中米の基本の国内流通はこんな感じです。
これらの国々の生産形態も山間に生産地が形成されており、農家は小規模生産者達が主体になります。よって水洗式が基本なのですが、品質的にColombia Mildのグループより劣るといった感じになります。まあスペシャルティではこういったくくりはあまり関係がなくなってきましたが、俯瞰して全般的な品質や生産量との兼ね合いを見ると、それなりに根拠があり、こうしたメインストリームの見方も興味深い物があります。
日本で珍重されたBule Mountainはジャマイカですが、あれだけ高額なコーヒーにも関わらず、Other Mildです。Geishaでブームになったパナマ、スペシャルティで知名度があがったグアテマラ、コスタリカなどもこのグループです。スタバが大好きなスマトラ=インドネシアやエチオピアはそもそもこのグループに入っていません。
Other Mildのカテゴリーでいち早く抜きんでたのはグアテマラになります。コーヒーの流通は農家が農協やチェリーコレクター、チェリー販売所などに収穫果実(コーヒーチェリー)を販売することが通例で、国内での流通はコーヒーチェリーで行われるのが基本です。しかしグアテマラは収穫後のチェリーを農家や農協ですぐに生産処理を行って、ドライパーチメントの状態まで仕上げ、それを国内での流通に乗せる生産国になりました。
コーヒーの水洗式(Washed)生産処理において一番重要なのは、収穫後のチェリーを1日にと置かずにすぐに生産処理を行う事です。収穫後はチェリーが自己消化したり発酵したりして品質が変異します。なので、早い段階で乾燥したパーチメントまで仕上げてそれを国内流通に乗せるGuatemalaがこのグループの中で頭角を現しました(まあスタバが愛好したということもあるんだけどね)。ちなみに中米の基本の国内流通はこんな感じです。
メキシコ:チェリー
グアテマラ:ドライパーチメント
エルサルバドル:チェリー
ニカラグア:ウェットパーチメント
ホンジュラス:ウェットパーチメント
コスタリカ:チェリー
パナマ:チェリー
グアテマラ:ドライパーチメント
エルサルバドル:チェリー
ニカラグア:ウェットパーチメント
ホンジュラス:ウェットパーチメント
コスタリカ:チェリー
パナマ:チェリー
コスタリカのようにスペシャルティの台頭によって多くの農家でドライパーチメントまで仕上げる事例が増えましたが、やはり品質の良さ(味やフレーバーが優れているという意味ではなく、枯れなどの状態劣化が少ないという事)は早くからドライパーチメントまで仕上げることが基本になったグアテマラに一日の長があります。
コスタリカの水洗施設(Wet Mill)。手前がチェリーを格納する桶。Icafeの検査証のマークが入る
メキシコやエルサルバドルでは農家ではなく、輸出業者などに生産処理を委託することがいまだ多く、これら二か国のコーヒーはやや劣化しやすいという現状があります。
・・・・・・
おっと、気が付くとかなり紙面を食っていましたね。
次回はNaturalとRobustaの生産処理グループの国々について触れたいと思います。
それではみなさんごきげんよう!
ファナティック三神
*ICO(International Coffee Organization=国際コーヒー機関)はイギリスのロンドンに本部を置く、世界のコーヒーの生産や貿易に関する協定を協議・実施する国際機関
*Yemenが入ってないのは上記が制定されたときにICOに加盟してなかったからかも?(現在は加盟している)
ファナティック三神
*ICO(International Coffee Organization=国際コーヒー機関)はイギリスのロンドンに本部を置く、世界のコーヒーの生産や貿易に関する協定を協議・実施する国際機関
*Yemenが入ってないのは上記が制定されたときにICOに加盟してなかったからかも?(現在は加盟している)
(参考)
ICO加盟国
https://icocoffee.org/what-we-do/about-us/
ICO加盟国
https://icocoffee.org/what-we-do/about-us/
生産処理を極める!!(自分のブログ・・・・)
https://coffeefanatics.jp/processing-prolog/
International Coffee Organization Glossary of Terms Used
https://www.ico.org/glossary.asp
https://coffeefanatics.jp/processing-prolog/
International Coffee Organization Glossary of Terms Used
https://www.ico.org/glossary.asp