
アラビカ種の二大品種である「ティピカ」と「ブルボン」。
今回は、「ティピカ」について詳しく紹介していきます。
ちなみに以前の記事でお伝えした通り、この品種とは植物学上の種ではなく、「栽培品種」のことです。
アラビカ種の中でも、「ティピカ」と「ブルボン」、この二つの栽培品種が二大品種とされるのは、現在栽培されているコーヒーの品種が、この二つの系統から派生したものだから。
まずは、このティピカが世界に広まっていった歴史から紹介します。
イエメンからアジアへ広がったティピカの系譜
ティピカもブルボンも、どちらもイエメンから持ち出されたコーヒーの子孫です。イエメンでは、15世紀後半にはコーヒーが栽培されていたといわれます。
この地を支配下に置いたオスマン帝国やイスラム・シーア派王朝は、コーヒーの木や種子の持ち出しを禁止していたものの、17世紀後半にはインドやセイロン島に持ち出されて栽培されており、インドからジャワ島に移植されたのがティピカの系統とされています。
オランダ東インド会社がインドからジャワ島にコーヒーの苗木を持ち込んだのは1690年頃でしたが、最初の試みは洪水によって失敗に終わりました。1699年に再び苗木が持ち込まれ、ジャワ島での栽培が成功します。このジャワ島のコーヒーが、現在私たちが知るティピカの原型となりました。ティピカという名前は、ラテン語で「典型的な」という意味に由来し、アラビカ種の代表的な遺伝子型として長く認識されてきました。
オランダ東インド会社がインドからジャワ島にコーヒーの苗木を持ち込んだのは1690年頃でしたが、最初の試みは洪水によって失敗に終わりました。1699年に再び苗木が持ち込まれ、ジャワ島での栽培が成功します。このジャワ島のコーヒーが、現在私たちが知るティピカの原型となりました。ティピカという名前は、ラテン語で「典型的な」という意味に由来し、アラビカ種の代表的な遺伝子型として長く認識されてきました。

世界中に広がるティピカ
1706年、オランダはジャワ島で栽培していたコーヒーの苗木をアムステルダムの植物園に送りました。この植物園から、1714年にはパリの王立庭園に一本の苗木が贈られています。そして1720年代には、この系統のコーヒーがカリブ海のマルティニーク島に運ばれ、この後に有名な産地となるハイチをはじめとした、カリブ海地域への足掛かりとなりました。
マルティニーク島から中南米へとティピカは広がり、18世紀から19世紀にかけて、メキシコ、グアテマラ、コロンビア、ペルーなど多くの国々で栽培されるようになりました。特にグアテマラのアンティグア地域では、ティピカの繊細な風味が高地の環境と相まって高品質のコーヒーを生み出し、今日に至るまで高い評価を受けています。
ティピカは、ジャマイカのブルーマウンテン、ハワイのコナ、タンザニアのキリマンジャロなど、世界的に有名な高級コーヒーの起源ともなっています。また、大粒のコーヒー豆として知られるマラゴジッペは、ティピカの突然変異種として発見されました。
マルティニーク島から中南米へとティピカは広がり、18世紀から19世紀にかけて、メキシコ、グアテマラ、コロンビア、ペルーなど多くの国々で栽培されるようになりました。特にグアテマラのアンティグア地域では、ティピカの繊細な風味が高地の環境と相まって高品質のコーヒーを生み出し、今日に至るまで高い評価を受けています。
ティピカは、ジャマイカのブルーマウンテン、ハワイのコナ、タンザニアのキリマンジャロなど、世界的に有名な高級コーヒーの起源ともなっています。また、大粒のコーヒー豆として知られるマラゴジッペは、ティピカの突然変異種として発見されました。
ティピカの特徴
ティピカは、その優れた品質とは裏腹に、現代の商業的コーヒー生産においては課題も抱えています。特にコーヒーさび病に対して非常に脆弱であり、病害虫への耐性もありません。また、生産性の面でも他の品種と比較して収量が少なく、成長も遅いことから、多くの生産地ではより生産性の高い品種への植え替えが進みました。
1970年代以降、カトゥーラやカトゥアイといった生産性の高い品種の普及により、純粋なティピカの栽培面積は大幅に減少しています。しかし、その優れた風味特性から、品質重視の小規模農園や高地の特定地域では今でも大切に栽培されています。
ティピカのコーヒーノキの特徴は、その樹高にあります。3〜4メートルと比較的背が高く、葉は細長い形状をしています。新芽は特徴的な青銅色を呈し、実は楕円形で細長い形をしています。
ティピカの味わいの最大の特徴は、その繊細さとバランスの良さにあります。明るく繊細な酸味と上品な甘み、複雑な風味が調和し、ボディはミディアムからライトで、全体的にクリーンでエレガントな印象を与えます。
多くのコーヒー専門家は、ティピカのこの洗練された風味こそが、「高品質コーヒー」の基準を確立したと考えています。
1970年代以降、カトゥーラやカトゥアイといった生産性の高い品種の普及により、純粋なティピカの栽培面積は大幅に減少しています。しかし、その優れた風味特性から、品質重視の小規模農園や高地の特定地域では今でも大切に栽培されています。
ティピカのコーヒーノキの特徴は、その樹高にあります。3〜4メートルと比較的背が高く、葉は細長い形状をしています。新芽は特徴的な青銅色を呈し、実は楕円形で細長い形をしています。
ティピカの味わいの最大の特徴は、その繊細さとバランスの良さにあります。明るく繊細な酸味と上品な甘み、複雑な風味が調和し、ボディはミディアムからライトで、全体的にクリーンでエレガントな印象を与えます。
多くのコーヒー専門家は、ティピカのこの洗練された風味こそが、「高品質コーヒー」の基準を確立したと考えています。
ティピカの代表的な産地

ティピカの代表的な産地としては、中米のグアテマラやメキシコ、南米のペルーやコロンビアなどがあります。また、カリブ海地域ではジャマイカのブルーマウンテン地域が特に有名です。アジア太平洋地域では、インドネシアのジャワ島やパプアニューギニアでも栽培されています。
これらの地域では、標高の高さや霧に覆われた環境、火山性土壌など、それぞれの土地の特性がティピカの個性を引き出し、地域ごとに異なる風味特性を生み出しています。例えば、グアテマラのアンティグア産ティピカは、チョコレートやナッツの風味が特徴的である一方、ジャマイカのブルーマウンテンは、フローラルな香りとなめらかな口当たりが際立っています。
現在ではなかなか純粋なティピカは存在せず、希少価値の高くなっています。その繊細でエレガントな風味は、高品質コーヒーの代名詞として今なお多くの人々に愛され続けています。
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