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【新銘柄登場】エルサルバドル サンホセ農園のバランスの取れた味わい


CROWD ROASTER アプリの新銘柄、この秋の第3弾はエルサルバドルのブルボンが登場!

エルサルバドル/アパネカ/サンホセ農園/レッドブルボン/フリーウォッシュト, ハニー」です。

この記事では、その特徴をじっくりご紹介。
そして、この銘柄のふたりの焙煎士によるローストイベントがさっそく登場しています。
田中義也さん、石原匠真さんのお二人の焙煎で、ぜひ飲み比べてみてください!

オレンジの酸味とチョコレートの甘さ、焙煎で変化する表情豊かな味わい


エルサルバドル サンホセ農園のレッドブルボンは、焙煎度によって異なる表情を楽しめるコーヒーです。

中煎りでは、オレンジやライムのような明るい酸味と果汁感が特徴です。甘さとのバランスが良く、ボディ感もしっかりと感じられ、飲みごたえのある一杯となります。
深煎りでは、ダークチョコレートやブラウニーのような濃厚な甘さと風味が前面に出て、ほんのわずかにブラッドオレンジのような酸味が香る、奥行きのある味わいに変化します。

フリーウォッシュトとハニープロセスの2つの精製方法で仕上げられたこのコーヒーは、エルサルバドルの伝統的なブルボン種の魅力を存分に感じられる銘柄です。

小国ながら高品質を誇る、エルサルバドルのコーヒー産地

エルサルバドルは、中央アメリカに位置し、北にグアテマラ、東にホンジュラスと国境を接する国です。面積は約2.1万平方キロメートルと、日本の四国よりやや大きい程度の小さな国ですが、コーヒー大国として知られるグアテマラとホンジュラスに挟まれ、コーヒー栽培に理想的な条件を備えています。

エルサルバドルの最大の特徴は、小さな国土に20以上もの火山が存在する火山国であることです。火山性の土壌はミネラルが豊富で水はけもよく、コーヒーの生育に非常に適しています。また、国土の大部分が標高の高い高地となっているため、赤道に近いにもかかわらず、気温が上がり過ぎることなく、コーヒー栽培に理想的な温暖な気候が保たれています。

5月から10月までの雨季と11月から4月までの乾季がはっきりと分かれており、年間平均降水量は1,700〜2,000mmと、コーヒー栽培に必要な水分も十分にあります。

エルサルバドルでは、日照時間を調整するためにシェードツリーを植える伝統的な栽培方法が広く行われています。その落ち葉が腐葉土となり、さらに土壌を豊かにするという、持続可能なコーヒー栽培が実践されているのです。

コーヒー産業を支える国の取り組み

エルサルバドルにとって、コーヒーは国の重要な基幹産業です。コーヒー栽培は国の農業生産の約30%を占め、輸出総額の約50%をコーヒーが占めています。また、就労人口の約25%がコーヒー産業に従事しており、国民の生活を支える産業となっています。国花もコーヒーの花が選ばれているほど、コーヒーは国民に愛されています。

エルサルバドルでは、国をあげてコーヒーの品質向上に取り組んでいます。エルサルバドル国立農政省コーヒー研究所では、品種改良や生産技術の研究が日夜行われており、政府主導でコーヒーの改良が積極的に進められています。この研究所で開発された「パカマラ」は、現在では世界的に高い評価を受けるスペシャルティコーヒーの品種となっています。

かつて1975年には世界第3位の生産量を誇ったエルサルバドルは、長期にわたる内戦やさび病の流行によってコーヒー産業が衰退した時期もありました。しかし近年、品質に重点を置いた生産によって復活を遂げ、国際的な品評会でも高い評価を得るなど、再び注目が高まっています。

サンタアナ火山の麓、アパネカ地域の恵まれた環境


サンホセ農園があるアパネカは、エルサルバドル西部のサンタアナ県に位置するコーヒー産地です。「アパネカ=イラマテペック」としても知られるこの地域は、サンタアナ火山の斜面に広がり、エルサルバドルの中でも特に高品質なコーヒーを生産する地域として有名です。

サンタアナ火山周辺は、火山性の肥沃な土壌と太平洋からの影響を受けた素晴らしいマイクロクライメイト(微気候)を持っています。火山灰を多く含んだ土壌はミネラル分が豊富で水はけもよく、さらにシェードツリーの落葉が腐葉土となることで、土壌環境が一層良くなっています。

この地域で栽培されるコーヒーは、クリーンでバランスの取れた味わいが特徴です。標高の高さと豊かな土壌、そして適切な降雨量が組み合わさることで、エルサルバドルを代表する高品質なスペシャルティコーヒーが生まれるのです。

3.5ヘクタールの小規模農園だからこそ実現する品質


サンホセ農園は、わずか3.5ヘクタールの小規模農園です。しかし、その規模の小ささこそが、この農園の最大の強みとなっています。

農園主のファン・カルロス・グレッグ氏は、祖父から農園を継承しました。祖父が大切にしていた品質に対する誇りと責任感、そして情熱も受け継いでいます。自身も農学者である彼は、小規模農園という特性を活かし、年間を通じて庭園管理のような行き届いた手入れを実現しています。

品質管理は、CafeCate社のロドリゴ・ジャマッティ農業技師が率いる、経験豊かな栽培チームによって行われています。雨季には木の手入れ、乾季には収穫というサイクルで、一年を通じて最適な管理が施されています。

ファン・カルロス・グレッグ氏は、生産量増進のための革新的な技術による栽培に確固たる信念を持ちながら、同時に高い品質を維持することに成功しています。また、こうした成功は作業労働者の協力があってこそ実現できるものだと確信しており、年次休暇、高水準の賃金、健康保険などを提供することで、労働者の生活の質向上にも取り組んでいます。

若手生産者として祖父から受け継いだ素晴らしい遺産に誇りを持ち、さらに高みを目指す姿勢は、サンホセ農園のコーヒーの品質に確実に反映されています。

エルサルバドルの伝統、レッドブルボン種

サンホセ農園で栽培されているのは、エルサルバドルで伝統的に栽培され、高いカップクオリティーを誇るレッドブルボン種です。

ブルボン種は、アラビカ種の二大品種の一つで、18世紀初頭にイエメンからフランス領レユニオン島(旧ブルボン島)に持ち込まれ、そこで栽培が成功した1本の木の子孫といわれています。19世紀半ばにブラジルに持ち込まれて以降、中南米で広く栽培されるようになりました。

ブルボン種の特徴は、小ぶりながら風味豊かなコーヒーチェリーを実らせることです。強すぎない酸味とフルーツのような香りや甘み、しっかりとしたコク、芳醇で甘みのある味わいが魅力です。焙煎後の豆は色ムラがなく美しく、飲むと上品な甘みが感じられます。

しかし、ブルボン種は病気にかかりやすく、収穫量も少ないという欠点があります。1980年代以降、多くの中南米のコーヒー生産国では、より生産性の高い品種への植え替えが進みました。エルサルバドルでは、1980年代の内戦によって植え替えが進まず、結果として伝統的なブルボン種が残りました。現在では世界的に希少となったブルボン種ですが、エルサルバドルでは生産量の60%以上を占めており、エルサルバドルコーヒーの個性を形作る重要な品種となっています。

フリーウォッシュトとハニー、2つの精製方法

サンホセ農園では、フリーウォッシュトとハニープロセスという2つの精製方法でコーヒーを仕上げています。

エルサルバドルでは、ウォッシュド(水洗式)が主流の精製方法です。収穫したコーヒーチェリーを選別した後、果肉除去、ミューシレージ除去、水洗、乾燥という順番で処理が行われます。ナチュラルプロセスと比べると乾燥時間も短く、クリーンで透明感のある味わいになるのが特徴です。

ハニープロセスは、中南米で盛んに行われている精製方法で、特にコスタリカが有名です。果肉を除去した後、ミューシレージ(コーヒー豆を覆う粘液質)を一部残したまま乾燥させる方法で、はちみつのような自然でまろやかな甘みが生まれます。

この2つの精製方法により、サンホセ農園のレッドブルボンは、それぞれ異なる個性を持つコーヒーとして楽しむことができるのです。


オレンジやライムの酸味、ダークチョコレートの甘さ。焙煎度によって変化する豊かな表情と、バランスの取れた味わい。サンホセ農園のレッドブルボンは、エルサルバドルの伝統と革新、そして生産者の情熱が生み出す、丁寧に作られた一杯です。

こちらの銘柄、しばらくはローストイベントのみで味わうことができます。
ぜひアプリで田中義也さん、石原匠真さんのローストイベントをチェックしてみてください。


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