「SCAJ2025」競技結果まとめ コーヒー技術を競う7つの競技の日本チャンピオンが決定

2025年9月24日〜27日に東京ビッグサイトで開催されたアジア最大のスペシャルティコーヒーイベント「SCAJ2025」にて、一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会が主催するコーヒーの競技会が開催されました。
「SCAJ」では例年、競技者たちがコーヒーの技術を競い合う大会が開催されており、選手自身の技術と知名度の向上に貢献するとともに、日本のコーヒー業界全体の盛り上げにも一役買っています。また、多くの競技では優勝者が世界大会に出場し、世界のコーヒーシーンで活躍する日本人を数多く輩出してきました。CROWD ROASTERのアドバイザーを務めていただいている石谷貴之さんも、2018年、2022年、2023年のジャパン バリスタ チャンピオンシップ(JBC)で優勝し、2023年は世界大会で3位に入賞しています。
それでは、SCAJ 2025で開催された競技会の結果をまとめてお伝えします。
なお、日本スペシャルティコーヒー協会主催の競技会のうち、焙煎の日本一を決める「ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ 」(JCRC)の決勝大会は、2026年1月16日(金)〜18日(日)に開催予定です。
ジャパン バリスタ チャンピオンシップ(JBC)優勝:本間啓介さん(サザコーヒー)
ジャパン バリスタ チャンピオンシップ(JBC)は、制限時間の中で「エスプレッソ」「ミルクビバレッジ」「シグネチャービバレッジ」の3種類のドリンクを提供。味覚評価だけでなく、提供するまでの全ての作業内容の適切性、正確性、一貫性などを評価します。JBCの優勝者は世界大会に出場します。
2025年大会を制したのは、サザコーヒーの本間啓介さん。ついに念願の優勝を獲得しました。
JBC2025 決勝結果
優勝 本間 啓介(株式会社サザコーヒー サザコーヒー本店/茨城県) 713.5
2位 伊藤 大貴(猿田彦珈琲株式会社/東京都) 705
3位 長坂 奈南(レックコレクティブ株式会社 REC COFFEE/福岡県) 665
4位 南條 裕乃(株式会社ヒサシヤマモトコーヒー Unir(ウニール)京都店/京都府) 664
5位 安部 潤(猿田彦珈琲株式会社/東京都) 659
6位 久永 由佳(猿田彦珈琲株式会社/東京都) 645
ジャパン ブリューワーズ カップ(JBrC)優勝:飯髙亘さん(サザコーヒー)
「ジャパン ブリューワーズ カップ」(JBrC)は、2014年に始まった手動抽出によるコーヒー競技会で、抽出器具や技術、表現力を競います。予選では公式豆で味覚を評価し、決勝では自選豆とプレゼンで魅力を伝えます。JBrCの優勝者は世界大会に出場します。
優勝はサザコーヒー 飯高さん。JBrC 2回目の勝利を飾りました。
そして、CROWD ROASTERではお馴染みのLEAVES COFFEE ROASTERS 石井 康雄さんが初出場で2位という快挙!
石井さん、おめでとうございます!
JBrC 2025 決勝結果 ※スコアはオープンサービス/コンパルソリーサービス/合計ポイント
1位 飯髙 亘(株式会社サザコーヒー) 344.00/139.00/483.00
2位 石井 康雄(株式会社LEAVES COFFEE ROASTERS) 354.00/128.00/482.00
3位 伊藤 恵未(SAMURAI DREAM 株式会社) 342.00/139.00/481.00
4位 井上 暁文(株式会社ヒサシヤマモトコーヒー The Unir coffee senses) 301.00/157.00/458.00
5位 西尾 仁美(株式会社TAOCA COFFEE 神戸元町店) 310.00/142.00/452.00
6位 酒田 ちえみ (株式会社和珈屋 珈琲豆専門店 和珈屋) 318.00/119.00/437.00
ジャパン コーヒー イン グッド スピリッツ チャンピオンシップ(JCIGSC)優勝:図師聡さん(KOFFEE MAMEYA Kakeru)
「ジャパン コーヒー イン グッド スピリッツ チャンピオンシップ」(JCIGSC)は、10分間の競技時間内で、アイリッシュコーヒー2杯とコーヒーを使用したアルコールベース2杯(ホットもしくはコールド)のデザイナードリンクを作成し、2名のテイストジャッジが評価します。JCIGSCの優勝者は世界大会に出場します。
今回の優勝者、KOFFEE MAMEYA Kakeru の図師さんが世界大会に挑みます。
JCIGSC 2025 決勝結果
優勝 図師 聡(株式会社 嗜好品研究所 KOFFEE MAMEYA Kakeru/東京都) 396
2位 野里 史昭(ISTA COFFEE ELEMENTS/大阪府) 385
3位 滑川 裕大(株式会社SGマネジメント ASH ZERO WASTE CAFE AND BAR/東京都) 348
4位 石井 純平(COFFEE BAR J Peace Ave./福岡県) 331
5位 土井 克朗 (UCCジャパン株式会社 UCCコーヒーアカデミー東京校/東京都) 326.5
6位 柏木 茉梨子(株式会社TAOCA COFFEE TAOCA COFFEE六甲店/兵庫県) 320
ジャパン ラテアート チャンピオンシップ(JLAC)優勝:野澤隆成さん(猿田彦珈琲)
「ジャパン ラテアート チャンピオンシップ」(JLAC)は、8分間の競技時間内に3種類のドリンク(カフェラテ/カプチーノ・カフェマキャート/デザイナーズ ビバレッジ)を2杯提供する競技。表現されたデザインの芸術性・独創性・再現性・複雑さなどの「外観」と、プロフェッショナルとしての「サービス」「衛生管理」が審査のポイントとなります。JLACの優勝者は、世界大会に出場します。
JLAC 2025 決勝結果
優勝 野澤隆成(猿田彦珈琲株式会社 The Bridge 原宿駅店/東京都) 640.5
2位 佐々木出帆(小川珈琲株式会社 東京オフィス/東京都) 608
3位 石橋晨弥(Connect Coffee/福岡県) 603
4位 李 維軒(禄鈴株式会社 Goldenhood/東京都) 602.5
5位 林 伸治(株式会社マーブル DRIP & DROP COFFEE SUPPLY/京都府) 536.5
6位 坂口 純(swell coffee roasters/東京都) 516
ジャパン サイフォニスト チャンピオンシップ(JSC)優勝:千田陽介さん(椿屋珈琲焙煎所)
2003年にバリスタ チャンピオンシップのサイフォン部門として誕生した「ジャパン サイフォニスト チャンピオンシップ」(JSC)は、ブレンドコーヒー、ブレンドコーヒーを使った選手オリジナルのシグニチャービバレッジを時間内に作成する競技です。JSCの優勝者は、世界大会「ワールド サイフォニスト チャンピオンシップ2026」に出場します。
JSC 2025 決勝結果
優勝 千田 陽介(東和フードサービス株式会社 椿屋珈琲焙煎所/東京都) 396.5
2位 清水 兼聖(株式会社嗜好品研究所/東京都) 395.5
3位 近藤 寛之(Kondo Coffee Stand/埼玉県) 388.0
4位 寳 和輝(KUUHAKU COFFEE/兵庫県) 374.0
5位 萩原 明東(株式会社 ア・グッド・ダイナー/マーメイドコーヒーロースターズ/東京都) 365.0
6位 渡邉 脩太(Ristretto株式会社/SHIKISHIMA COFFEE FACTORY/群馬県) ー
ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ(JHDC):優勝 新田衣祥さん(新田珈琲)
「ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ」(JHDC)は、日本で最も親しまれている抽出方法「ハンドドリップ」に特化した競技会です。予選大会、センサリーはブラインドでの審査となり、トーナメントを2度勝ち上がると決勝大会へ進めます。決勝大会ではブラインド審査のドリップ競技、プレゼンテーションを伴うフリー競技とで争われます。
JHDC 2025 決勝結果 ※スコアはドリップ競技/フリー競技のポイント
優勝 新田 衣祥(有限会社 新田珈琲/新田珈琲) 116.5/295.0
2位 河村 敬大(常盤珈琲焙煎所/ルミネ大宮店) 115.5/282.0
3位 保手濱 沙緒里(Knot COFFEE) 125.5/266.5
4位 高橋 那純(株式会社Philocoffea) 109.5/262.0
5位 長谷川 園子 (株式会社lull licht coffee&cakes) 114.0/247.0
6位 原田 裕次 (TheoCoffee) 111.5/236.0
7位 川島 佑太 (あつみ珈琲) 114.0/231.0
8位 田中 広志(ー) 114.0/229.5
9位 大島 麻理子 (珈琲オーダー焙煎 まめとも) 116.0/226.0
10位 近藤 一輝 (Rainyday’s Coffee) 112.5/229.0
11位 名谷 宗泰 (ー) 113.5/226.5
12位 大越 幸生 (株式会社 ア・グッド・ダイナー/マーメイドコーヒーロースターズ) 122.0/210.0
13位 冨永 貴之 (株式会社 PASSAGE/PASSAGE COFFEE) 118.0/196.0
14位 萩原 明東 (株式会社 ア・グッド・ダイナー/マーメイドコーヒーロースターズ) 123.0/ー
ジャパン カップテイスターズ チャンピオンシップ (JCTC):優勝 田上瑞樹さん(coffee factory)
「ジャパン カップテイスターズ チャンピオンシップ」(JCTC)は、スペシャルティコーヒーの基本であるカッピング技術を競技化したものです。問題ごとに3つのカップが置かれ、そのうち1つだけ違う味のカップを「カッピング」と呼ばれる手法を使って当てる競技。各設問1分ずつ、計8分以内に正解した数が一番多いか、正解数が同じ場合は全問解答するまでにかかった時間が一番短い方が優勝となります。
JCTC 2025 決勝結果 ※スコアは、正解数、タイム
優勝 田上 瑞樹(有限会社フルハシ/coffee factory/茨城県)8, 3’27”
2位 里村 涼(Mel Coffee Roasters株式会社/兵庫県)7, 3’36”
3位 齊藤 由紀(青森県)7, 5’51”
4位 小野 史弥(ペギー珈琲/元井珈琲/愛知県)6, 3’54”

以上、2025年のSCAJで行われた競技会結果をお伝えしました。
2024年のジャパン バリスタ チャンピオンシップ(JBC)で優勝を飾った、伊藤大貴バリスタが出場した、2025年世界大会(World Brista Championship)の結果はこちらでお伝えしています。














